ポンペオ国防長官でアメリカと北朝鮮、イランとの関係は窮地となる
ティラーソンが解任されたことは、トランプがイランに対して
5月中旬の制裁執行免除を延期することを拒否し、事実上イランとの
核合意からアメリカが撤退することを意味します。
ポンペオ氏はイランに対立姿勢
議員時代からイランに対してタカ派だったポンペオ氏は、核合意
維持でトランプと対立していたティラーソンのようにならない可能性
が高く、そのことは、マティス国防長官だけが、政権のなかで
イラン合意を支持する立場となることを意味します。
ティラーソンによって開始された、イラン核合意を強化しようと
する欧州各国との対話は、おそらくポンペオ氏が議会で承認されるまで、
棚上げされる可能性が高いです。
その議会では上院の1人あるいはそれ以上の議員が投票を
保留しておりポンペオ氏が国防長官に指名されるには
しばらく時間がかかる可能性があります。このことは、ポンペオ氏が
トランプが5月に合意撤退決定をする前に、欧州各国との間で議論を
開始できないことを意味します。いかなる場合でも、ポンペオ氏は
彼の今後のEUへの対応や、また彼らがどう対応してくるか
なにもわからない状況であり、ポンペオ氏のEUに対する対応は、
おそらくティラーソンよりも厳しい姿勢をとることが予想
されます。
イラン合意破棄が北朝鮮に及ぼす影響
情報調査機関は、イランが合意内容に従っているという
評価で一貫していました。
しかしながら、ポンペオ氏個人的なイランに対する見解をみると
ポンペオ氏は,トランプとブリーフィングをする際に、
情報機関の評価から、自分自身を切り離そうとする可能性が
あります。
国務長官としてポンペオ氏はより大きな権限をもつことになり
おそらく、問題が両極端にならないと予想します。しかし
時間だけがわかることです。ポンペオ氏のイランに対する
タカ派的な姿勢ではありますが、複数の相手に対処する
必要がある場合には適度に調和される可能性があります。
時としてイラン核合意に対してはロシア、中国そして
欧州の加盟国との間で矛盾や問題をおこしています。
もし、トランプと北朝鮮との間での会談が行われるのであれば
アメリカがイラン核合意から撤退することは、トランプが約束
を守る信頼できる人物かについてキムジョンウンに疑念を持たせる
可能性があります。この考え基づくとポンペオ氏がトランプと
議論することを促すかもしれない。その議論とは、トランプが
主張するイラン合意は最悪の合意だという意見には同調する
けれどもアメリカが北朝鮮と交渉を始めようとするときに、合意破棄
しないことがベストであると。
イラン合意の検証条項は各国が同意したなかで最も厳格かつ侵入的で
あり、それらは、北朝鮮との交渉においてのベースラインと
なりえるものです。
ポンペオ国務長官は市場の波乱要因となる?
答えはyesであり、ポンペオ国務長官は、完全に
トランプの犬になることが予想されます。
トランプ政権で信頼されていたのは、経済面ではゲーリーコーン氏
、そして外交面では、疑いもなくティラーソン国務長官
でした。この2人は、トランプ氏に対して物を言える唯一の
人物であったのですが、そうがある故に解任されてしまう
結果となったのです。
もはやトランプ政権は、トランプの感情のままブレーキが
効かない状況に陥っているといっても過言ではないと
思います。ポンペオ国務長官がトランプに気に入られる
ための政策に固執した場合は、市場に混乱を与えるリスクが
強まっていると言えると思います。
まとめ〜今後のドル円は?
もしポンペオ氏がC国務長官に任命されれば、トランプ大統領の
対イラン強硬と保護貿易主義をさらに推し進めて
くる可能性が高いです。
もはやホワイトハウスはトランプの言いなりで
ブレーキの効かない状況に陥ってしまって
いるといっても過言ではなさそうです。
この政権によりドル円相場も日本に対する貿易黒字解消圧力
が強まり、イラン問題を筆頭にした中東も混乱の煽り
をうけた、リスクオフの市場からドル円が大きく下落することへの
警戒が必要のように感じます。