
ベーシス取引をわかりやすく!ネットベーシスとチーペストによる算出方法は!
ベーシス取引が、投資家、金融機関の間で活発
に行われています。これは、アビトラージ取引
のひとつで、国債先物と国債現物との間の
裁定取引ベーシス取引といいます。
ベーシス取引とは
国債先物を購入あるいは売却した場合には、
残存の国債が受け渡されることが
前提です。通常は、7年国債を受け渡す
コストが一番低い状態が続いています。
先物を売り建てた場合、受け渡し日に
7年国債受け渡す必要があります。先物を
売り立てる同時に7年国債を買っておきます。
気をつけるべきことは、先物取引において
現物決済を行う場合、コンバージョンファクターで
調整する必要があることです。
先物を売って現物を買う場合、もし
前者が100円で、後者が99円の場合
決済のタイミングで1円の収益がでます。
すなわち、この両者の間に大きな乖離が
生じている場合に、大きな収益機会が
生まれます。
グロスベーシスとは
これは、現物価格と先物価格にコンバージョンファクターを
乗じた、すなわち受渡価格の差のこといいます。
ネットベーシスと算出方法
ネットベーシスとは、この取引をするためのコスト
すなわち、レポコストと国債を在庫として保有
することで得られる利子収入を加味した
ものです。
ネットベーシスは、先渡価格-先物価格 x cf
です。
チーペストとは
先物の売り手は、自分にとって得となる銘柄を
受け渡したいと考えます。
例えば、先物を売り建ており、最後まで反対売買
を行わず、、受渡し日に国債を受け渡す必要が
生じた場合、発注するなりして、国債を調達
しなければなりません。この現物価格が受渡しを
行う際のコストとなります。
一方で受け渡す方は、受渡し価格、すなわち、
先物価格※CF– 現物価格の最も大きい銘柄を
受渡しインセンティブが働きます。
先物価格はひとつなので、受渡し可能な
国債の中から、CFが大きい銘柄が売り手にとって
最も利益の高い銘柄となります。
クーポンが6%以下であれば、年限が短いほうが
CFは大きい傾向となる。
このように、受渡しのメリットが銘柄
をチーペストといいます。
実際には、キャリーを加味した、ネットベーシス
との差を考慮して、チーペストが選定されます。
まとめ
今回は、ヘッジファンドなどのプロの投資家の間
で多用されてい、ベーシス取引について
調べました。
先物と現物の間には、コンバージョンファクター
とまた思惑によって乖離するものですが、その
歪みを利用して、また最終的には収斂していくことを
想定したポジション取りです。