ベネズエラ(マドゥロ大統領)の混乱に対する各国の反応とエマージング市場の反応は
ベネズエラは不透明な新たなフェーズに突入した模様です。
南米7カ国がマドゥロ大統領と対峙してきた新政権を
承認していますが、これにトランプ大統領とカナダの
トルドー首相が追随しました。
これに反応してマドゥロ大統領jは、アメリカとの国交断絶を発表し、
アメリカ外交官の72時間以内の国外退去を命じました。
マドゥロ大統領に対する各国の反応は
アメリカポンペオ国務長官はこの日 の夕方声明を発表し、
前任のマドゥロ大統領が米国との断交を宣言する権限あるいは、
米国の外交交渉の相手になる人物であると考えていないとの
声明を発表しました。
CNNによると、米州機構は以前に、この地域加盟各国
は19対6(欠席表数8)の票数でマドゥロ政権を正式な
法治国家として認めないことを発表していました。
マドゥロ氏への反応
私が唯一のベネズエラの大統領であり、20世紀のグリンゴの介入
とクーデターの復活の時代に戻りたくないと語っています。
一方で、ラテンアメリカは右派政権にシフトしています。
ブラジル、パラグアイ、コロンビア、アルゼンチン、
ペルー、エクアドルそしてチリ全ての国がベネズエラの野党党首
グアイド氏を新たなベネズエラの大統領として承認しています。
右派であるブラジル大統領ボルソナーロ氏は昨日ダボス会議で
マドゥロ氏のケースは左翼イデオロギーこの地域では広がら
ないことを意味していると語っています。
パラグアイ大統領のマリオアブドベニテス大統領はより直接的に、
我々はベネズエラの解放につながるものは全て支持するであろう、
と語りグアイド新政権を支持しています。
新興市場の反応は
市場はこのニュースを歓迎しているようです。
ベネズエラの2027年期日ソブリン債は、6月以来の
急上昇に転じています。これは、特筆すべきことで、
ベネズエラの2027年ソブリン債と他の債券は、2017年11月以来
デフォルト状態に陥っていました。アメリカによる経済制裁で、
この国の支払い能力について投資家から懸念が生じていたのです。
ベネズエラの政権交代によって、これら債券の構造改革が
行われるとの期待が高まり、債券市場は急上昇に転じている
のです。
市場は、以前に想定していたよりも、もっとマドゥロ氏退場を
好感しているようです。
まとめ
ベネズエラの大統領が米国との国交断絶のニュースは
ショッキングなニュースの聞こえますが実際のところは
マドゥロ大統領に対して、すでにノーが突きつけられて
いたのが事実です。実際に公平な選挙を経て大統領に
選出されたわけでなく、また軍事をバックに独裁色を
強めていたベネズエラにとって今回の政権交代させられた
ことは、新興市場にとってもポジティブに受け止められ
ているようです。新興国市場が上昇することによって
市場全体がリスクオンになり、円相場も円安になりやすい
展開の材料になると思われます。