
ブレグジット採決が否決!今後の政治と為替ポンドの見通しは?
英国メイ首相のEU離脱案は、下院で大差をもって否決され
ました。彼女はこの採決をここ最近のイギリス政治史上で
「もっとも重要」と位置付けていましたが、432対202という
この100年余りの中で例を見なかった大敗となりました。
そこで、英国下院ブレグジット合意案否決を受けて今後
どうなるか、政治とポンドのシナリオを考えてみたい
と思います。
この否決が意味するもの
誰も次になにが起こるかわかりませんが、
イギリスは3月29日にEUを離脱する予定となっています。
これは、世代を超えて続いていく経済と政治の重要な
出来事ですが、今後出口がどうなるかあるいは
予定通りにブレグジットが行われるのかどうかも
全くわからない状況になりました。
否決による今後のシナリオは
議会投票に先立って、メイ首相は議員に対して
「この合意案に反対することは、不確実な状況、分断、そして
合意なきEU離脱が現実のもなるだけだ」と語っていました。
次なにが起こるかの可能性は
現在、以前からあげられていた3つの究極のシナリオが
起こる可能性が45%あると考えられています。
その内訳は、総選挙が行わる可能性が10%、合意なき
EU離脱の可能性が5%、そして2回目の国民投票の
可能性が30%です。
総選挙場合
労働党党首であるコービン氏は、即座にメイ首相の
不信任を提出し、総選挙の実施を求めています。。一般的な
見解によると、議員らは、コービン氏が首相になることを恐れて、
メイ首相復活させるとの見通もありましたが、いざEU離脱案件
になると、この従来の見方は通用していないようです。
合意なき離脱
合意なくしてEUを離脱することは、イギリス議会、
あるいはEUも否定的である。経済的影響は悲惨なもの
になるとおもわれます。
しかし、EU離脱日は6週間後に迫っており、メイ首相
もまた、「合意なき離脱はとてもリスクがある」と語って
います。メイ首相はおそらくこれを避けるため
にEUと交渉して時間稼ぎをすると思われます。
ブレグジットをキャンセル
2度目の国民投票は今まで視野に入っていませんでした。
しかし議会で多数を占める可能な合意案がでなかったこと
を考えると、これが唯一の論理的ステップであるという
声が高まっている。タスクEU理事長は今日、
「もし、合意案でまとまらないのであれば、だれも
取引したくないということであり、誰が最終的に解決策が
なんであるかを言えることができるのだろうか?」とツイートして
います。
次のシナリオは
メイ首相は、3日以内に次のプランを議会に
再提出することを求められていますが、その見通しが
立っていません。EUはさらなる交渉の余地はないと
伝えています。もしメイ首相が議会を満足させる案を
再提出出来なければ、2回目の国民投票も現実のものに
なってくる可能性があります。
ポンドの見通しは
今回の否決決定は、ポンド市場はすでに織り込んでいた
ように思われます。
ポンド市場は次のシナリオを模索している段階であり
上記で述べたように、ブレグジット自体が遠のいていく
シナリオであるならば、ポンドにとってはポジティブな方向
に動く可能性が高いと思っています。
リスクは合意なき離脱をメイ首相が決断するかどうかですが
メイ首相はすでにその決める力も失っているようです。