ブラジルレアル円(BRLJPY)の2019年最新の見通し!
今年の為替市場の幕開けは、ドル円で一時104円台の急落
これは、株価とともにリスクオフの動きが世界中で起きて
円の書き戻しが起きた現象ですが、その後、アメリカ雇用統計
が予想よりもはるかにに良かったことで、株価は急反発、
しかし為替のほうの反応は今ひとつ鈍いような気がします。
その中で、高金利通貨の代表のひとつであるブラジルレアルに
ついて、今年の見通しを分析してみたいと思います。
ブラジルレアルの動きの背景は
ブラジルの消費者物価が11月に前月比マイナスとなり、
インフレ圧力低下観測が強まっています。
高金利通貨であるはずのブラジルレアルが利上げどころか
金融緩和の圧力に晒されているのです。
景気回復が緩慢との懸念が加わり、利上げ開始時期が
先送りされる見通しが広がり、ブラジルレアルは軟調
傾向が昨年は続きました。そし、もう一つ頭を抑えたのが
ブラジルの政治状況と、他の新興国通貨
、とくにトルコリラやアルゼンチンペソが昨年は急落
しかしいました。そういった背景からブラジルレアルは対円
でも下降トレンドを維持する結果となりました。
2018年5月下旬に原油高に伴う国営石油会社による
燃料価格値上げへの抗議ストが広がり、経済が混乱、
さらに補助金による値上げ凍結が財政悪化懸念を招き、
ブラジルレアルは急落しました。7月には米中通商摩擦、
中国景気の減速懸念に伴う商品市況の下落もあり、
軟調に推移しました。
8月には、トルコショックで新興国通貨売りが強まった上に、10月の
大統領選挙に関する不透明感や、米中通商摩擦の先鋭化が嫌気され、
8月30日に対円で1レアル=26.3円台の史上最安値を更新、大統領選の
世論調査発表などにレアルが神経質に反応する展開が続きました。
しかし12月にはいって足元の景況感は改善するなど景気は
回復基調をたどり、低成長ながら2018年は前年比+1.3%、
2019年に同+2.8%、2020年に同+2.5%と景気拡大が続くと
予想されます。
楽観的な景気見通しが昨年末に強まるにつれて最後の
ところで↓のグラフのように多少持ち直しています。
ブラジルの金融政策は
ブラジル中央銀行(BCB)は12月に金融政策会合を開き
3月以降6会合連続となる政策金利据え置きを
発表しました。
その要因として、インフレ圧力の低下や、構造改革の停滞に伴う
金融市場の混乱・物価上昇リスクの低下を挙げています。
ブラジルレアルに対しては、高金利を期待している投資家が
多いですが、昨年は、その期待が裏切られた結果となりました。
↓のグラフが示す通り、ブラジルの金利は2017年から下落傾向
となっています。
この金利の動きが、昨年のブラジルレアル安の大きな要因に
なったと思われます。
2019年ブラジルの鍵となることは
ブラジル経済で鍵となるのは、やはり新政権の政策運営
だと思います。
インフレ鎮静化、経常収支の赤字縮小など財政を
除く経済ファンダメンタルズは昨年後半から徐々に
改善しているようですが、2019年1月1日に就任する
ボルソナロ次期大統領は、財政再建を志向する
人材を経済関連の要職に指名し、構造改革に取り組む
姿勢を鮮明にしています。最大の課題である年金改革に関して、
財政負担を軽減する本格的な改革案をまとめることができるか否か、
議会で可決することができるかどうかが、今年のブラジルレアル
の動向のカギとなると予想します。
ブラジルレアル円(BRLJPY)の見通しは
向こう1年間のブラジルレアルの対円相場を
1レアル=2~33.5円と予想します。
昨年9月の金融政策会合議事録でブラジルインフレリスクの
高まりが指摘され、利上げ期待が高まり、昨年後半から
ブラジルレアルは持ち直してきています、
また新政権が構造改革に取り組む姿勢を示
していることで、一時、同31円台の上昇を昨年みました。
その後は、議会での多数派形成のハードルが高いことが
認識されるなどして騰勢は一服しました。
このように、ブラジルレアルは、新政権に対する期待と現実
の間で上下に触れる展開が2019年も続く可能性が高いと
思われます。
また、最近は、アメリカの利上げ観測が後退していることも
ブラジルレアルに追い風になると思います。そして、ブラジルは
中銀総裁人事などが好感されるています。
一方で今年のマイナス材料は、米中通商摩擦の長期化観測を
背景とした鉄鉱石価格の下落や、新政権が年金改革に
挫折してしまうとの懸念も持ち上がっています。
したがって、今年のブラジルレアルの為替見通しは、
上記のレンジをコアとして、しばらくはレンジ相場に
なると予想します。
まとめ
ブラジルレアル円は現在29.00近辺で推移していますが
短期的には一時期の下落基調から、二番底をうった
チャート形成をしています。
新政権が発足し、しばらくはブラジルレアルは、期待のほうが
優勢となり、またアメリカの金利も一服していることから
30台に向かう動きとなることを予想します。
しかしながら、改革期待も長続きせず、また夏頃に向けては
ブラジルレアルの安値を試す展開となり、方向感のない
相場にんzるにではないかと予想します。