
フラッシュクラッシュが為替(ドル円)で起きる原因とは次にくるタイミングを予想
今年にはいってフラッシュクラッシュと言われる急落がドル円で起きて
います。
1回目は事故、2回目は偶然と言えるかもしれないですが、
今年の場合は3回目の「フラッシュクラッシュ」に身構えている
参加者が多いようです。
なぜ今みんなフラッシュクラッシュに警戒するのか?
それは過去にフラッシュクラッシュが起きたときと状況が似ている
からです。
そこで今回は為替のフラッシュクラッシュについて述べたいと
思います。
目次
フラッシュクラッシュが為替で起きる原因は
円に対する先週のトルコ・リラのフラッシュクラッシュ(急落)と
2016年1月の南アフリカ・ランドの急落には、3つの共通点が
ありました。いずれもアジア時間早朝、日本の連休中に起こったほかに
個人投資家のこれら高利回り通貨の買い持ちポジションを大量に
保有していることです。
日本市場が休場のときに狙われる
日本では今年、週末を含めて3日以上となる連休があと
9回やってきます。この時は、市場が薄くなるので
日本の個人投資家のポジションに投機筋が攻撃を仕掛ける
絶好の機会となる市場参加者らはみています。
とくにオーストラリア時間が最も流動性が低い時間帯なので
その時間帯が狙われるケースが多いのです。
逆にいえば最も市場の厚い時間帯といえるロンドン時間午後2時に
フラッシュクラッシュが起きることは考え難いのです。
ヘッジファンドにとっての好機は、日本が休場の日は日中取引規模が
320億ドル(約3兆4500億円)のオーストラリア市場が、シンガポール
と香港市場が開くまで主戦場になることです。
ポジションが異常に傾いているとき
日本の金融先物取引業協会の最新データによれば、豪州市場の規模は
昨年11月末の日本の個人投資家の買いもち残高にほぼ一致している
ようです。
信用取引に応じるブローカーは日本が休場でも毎日、資産を時価評価し、
損失が一定水準に達すればポジションを清算するシステムになっています。
為替業者ごとに若干の違いはありますが、これは総じて日本時間午前7時ごろ
に行われます。
その時に流動性の低くなると個人投資家のポジションを投機筋の攻撃に対して
脆弱なりストップロスを誘発させ極端な値動きから利益を得ようとする
投機筋が現れてくるのです。
次にフラッシュクラッシュがくるタイミングは?
日本が祝日で大きなポジションの偏りが時がフラッシュクラッシュが
くる可能性が高くなります。
円ショート(売り持ち)を強制的に急解消させる動きが引き金になりますが
アルゴリズム取引をする金融機関やファンドの行動が、変動を大きく増幅
させています。
今回日本の年末年始休暇の最終日だった1月3日の朝、円は数分の間に
ドル円は4%以上急落しました。きっかけは対円での豪ドルとトルコ・リラ売り
注文殺到でしたが、同時にドル円の買い持ちポジションにもリスクが高まって
います。
ドル円相場の見通しは
ドル円はすでにフラッシュクラッシュが起きて、一時104台にまで急落
しました。
日本の正月休み明けの相場は、108円台で安定した状態が続いています。
この状況を想像すると、上記にあげた業者での取引、すなわちFX業者を通した
取引は、自動的にロスカットオペレーションが行われるので、ドルロングを
維持していたFX業者のポジションは強制的に実行されたように思われます。
今考えられるのは、長期的に高金利通貨の買い持ちを維持している投資家
は、実際にはなにも動いていないように思われます。逆にに円高に振れたところ
ではこれは絶好の高金利通貨買い機会ととられて買い増しをしている投資家が
年明けから散見されました。
長期的スタンスから円安ポジションをもっている人はちょっとやそっとでは
諦めないポジションです。
そのことから、ドル円のフラッシュクラッシュは当面は起こらないのでは
ないかと個人的には思います。
まとめ
今後の為替の展開で左右するのは、投資家の体力がどのくらいあるのか
にかかっているように思います。
それは、株式市場の動きも大きく影響してくると思います。
もし他の市場でも損失が広がっていくのであれば、為替、とくに円絡み
の円安ポジションもあきらめざるをえなくなる可能性もあります。
株価が低調のなく、ドル円は何か月ものわたってサポート役となって
いた110円台は今となってはドルの戻り売りの場となっている可能性
があります。