フェデラルファンドff金利誘導目標とは?今回のパウエルFRB議長発言でFF金利の見通しは?
今回パウエルFRB議長の発言が、市場に大きく影響を
与えています。
今回影響を与えたFRB議長のコメントをより具体的かつ
完全に読み解いてみると「金利は歴史的水準よりも低く、
経済にとって中立となる基準、すなわち加速もスローダウン
もさせない広範囲の予想基準よりも下回っている」と
語っています。
いかにも当たり前のような発言ですが、このコメントが
なぜ市場にインパクトを与えたのか分析してみたいと
思います。
フェデラルファンド金利とは?
フェデラルファンド金利とは、アメリカの中央銀行
であるFRBに預けている準備金の不足分を無担保で調達する
ときに適用されるターゲット金利です。
いわゆるアメリカのコールマーケットであり、銀行間の
マネー取引に適応するレートです。
アメリカはFOMCの会合で、FRBの準備金の需給を調節し
FF金利の誘導目標を変更することで、金利政策を設定
していることになります。
パウエルFRB議長発言で市場が理解したことは
市場は、「広範囲の予想基準」の文言を省いて
パウエルFRB議長の発言を、汲み取ったようです。
市場が理解したのは、このパウエル発言により、
現在の金利水準は中立金利よりもやや下回っている、
と解釈したのです。まるでFRBが中立金利を設定し、
中立金利で利上げ政策を中断するかのように市場は
解釈してしまったようです。
今回のパウエルのコメントで、株式市場は、まるで、
このコメントによって12月の利上げの以降利上げ政策は
中断される、あるいは少なくとも予想されている2019年の
利上げペースが弱まわることをを示唆しているかのように、
かなり楽観的に、そして期待をこめて反応しました。
今後のフェデラルファンド金利の見通し
12月に利上げした後、さらなる2回の利上げを
来年の上半期に実施されるのではないかと予想します。
フェデラルファンド金利は、3%に達するであろう
思っています。パウエルの今回のコメントによって
この見方が変わるものではないと思っています。
今回のパウエルの発言を推し量る理論的な方法は、
直近の9月のFOMCで公表された見通しを見ることが
有益なると思います。そこではFF金利の広範な中立基準を
2.5%から3.5%としています。現状のフェデラルファンド金利
水準2.00〜2.25%を比べると、予想中立基準の下限までは
あと1回の利上げ、真ん中まではあと3回、そして予想の上限水準
まではあと5回の利上げが計算上可能になります。
要するに、これからの利上げ回数の可能性は、1回から5回までの
幅広いところでのシナリオとなります。このようにフェデラルファンド金利
については多くのシナリオがあり、パウエルFRB議長の考え方、
すなわち金利政策のゆくえは、経済と金融情勢次第だということ
になります。