
ビル・グロス(債券王)は2020年のウィルシャー5000指数(Wilshire5000)をどう予想しているのか?
ビルグロス氏は、ヘッジファンドの界のカリスマと
言われたほどの人物ですが、そのビルグロスが2020年
のマーケットについて語っています。
これはファイナンシャル・タイムズでのインタビューで
来年のマーケットについて語っていますが興味深い予想
しているので紹介してみたいとおもいます。
ビルグロスが予想する2020年のウィルシャー5000は
ビルグロス氏は2020年のマーケット、特に株式市場の予想
について停滞すると予想しています。今年行われた金融緩和政策
は来年になると効力が失せてくると予想しています。とくにG7が
行っている金融緩和政策の効果のモメンタムが失っていき、やがて
経済停滞が目立ってくると予想しています。
株式市場も債券市場も来年は圧迫されるとの予想の背景には
超低金利政策の弊害が来年は現れてくると予想しているからです。
超低金利政策は経済構造改革の処方箋にはなりえないというのが
ビルグロスの考えです。
2020年のFEDの金融政策予想は
今年7月からすでに3回利下げしたFEDは、しばらくはこのまま
様子見のスタンスを維持すると言明しています。
来年の7月までは、さらなる利下げは見送られるとビルグロス
は予想しており、またFEDはマイナス金利政策は採用しない
と予想しています。
ビルグロス氏の2020年の株式債券予想は
2020年はマーケットが停滞すると予想しているビルグロス氏
株式市場全体の指数であるウィルシャー5000は10%下落
すると予想し、10年国債の利回りは、1.75%となると予想して
います。
ビルグロス氏は2017年からはじまった減税政策もすでに消化されて
おり、一方で財政の悪化がすすみ、約1兆ドルの財政赤字がすすむ
と予想しております。これが経済の重石となるとの見方です。
また2020年に実施される大統領選挙も市場に不透明感を与えると
予想しています。民主党の大統領候補はセントラリストと極端なリベラル
候補のあいだでのせめぎ合いをしており、市場に大きな変動をもたらす
おそれがあると予想しています。
まとめ
ビルグロス氏は以前は債券市場の神様とまで言われた人物
ですが、彼のの2020年のマーケットの見方は楽観的
ではないようです。現状はウルトラ金融緩和に踊らされて
いる株式市場と債券市場ですが、来年は長続きしないというのが
彼のメインシナリオのようです。そして政治に目を移しても
トランプ大統領のツイッターで右往左往している市場と
不透明な民主党の大統領候補によって市場は大統領選挙を
控えている来年は不安定になるとの見方です。
そして2019年のQ4のGDP成長率は0%と予想されており
これはすでにリセッションの入り口にいるとの悲観的な予想
をしています。