
パウエルプット(Fedプット)とは?ドル円相場に与える影響と見通しは?
最近よく、パウエル・プットととかFedプットという言葉を
耳にします。
ここ最近のマーケットは、このパウエル・プットが原因で
上昇基調にあると言われています。
7日の米株式相場も続伸しました。5月の米雇用統計が低調だったことで
米利下げ観測が強まっているのです。
パウエル・プット(Fedプット)とは?
それは、FRB議長であるパウエル議長が米国の金利を下げる
ことを示唆していることです。
なぜ景気が後退しはじめているのに株価が上昇するのかと
言えば、米国の金利が下がることにより、資金が株式などの
リスク資産に向かいやすくなるしくみです。
現状、トランプ大統領がFedのパルエル議長に今までの利上げ
に対して不満を表明し、利下げをするプレッシャーをかけていますが、
ここ最近のパウエル議長の発言のトーンは以前のタカ派的な発言から
明らかに変わり、現在は利下げを示唆するようになっています。
それがパウエル・プット(Fedプット)と呼ばれているのです。
パウエルプットの効果は
S&P500種株価指数は4日連続で上昇し、米国債は買われ、
米国債利回りは急低下しています。
S&P500種は週間ベースで4.4%高と、今年最大の上昇となり
また5月の非農業部門雇用者数が3カ月ぶりの低い伸びにとどまり、
平均時給も伸びが鈍ったことから、Fed政策が利下げに転化する
根拠を与えていると市場は受けとめているようです。
この市場状況を『Fedプット』と評しているアナリストが
増えているのです。
5月の雇用統計は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)に行動を迫るほど
には悪くなかったが、パウエル議長がよりハト派的な論調を維持すると
見方が強まり、年内利下げの確率は上昇したとの見方が増えています。
ドル円相場に与える影響は
このパウエルプットによって米国債は軒並み上昇し、
サウジアラビアとロシアが世界的な供給過剰回避に向けた
協調姿勢をあらためて表明したことでニューヨーク原油先物相場は
大幅続伸し軒並みリスクオンの相場展開になっています。
ところがここ最近のドル円相場は、米国の利下げ見通しに
焦点に置き、すなわち、米国と日本の金利幅が縮まるとの憶測から
ドル円は下落しています。
ドル円は円高となり、108円を突破しています。
ドル円相場の見通しは
短期的にはドル円は円高基調が強くなっていますが
中長期でみるとドル円は、大きなレンジの中に
いるようです。
↑のチャートからわかるとおり、ドル円は大きく
みると105円と110円の間のレンジでの動きが
ここ数年続いています。
今後の見通しとしては、ドル円は、長く続いている
円のゼロ金利政策が続いていることから、長期的
なドル買い円売りポジションはかなりの額で積みあがって
います。そしてこのポジションはちょっとやそっとでは
投げられるものではなく、現在のドル売りは短期的な
ドル買いポジションのロスカットが主導しています。
その流れで、上記のレンジの105円台を目指す動きが
短期的には予想されるますが、新たな新規マネーがドルが
下がったところでははいってくる可能性が高いので長期的
にはこのレンジを大きく離れることはないと思っております。
まとめ
基本的にパウエル・プットは、株高、原油高などリスクオン
に作用していますが、ドル円については、ドル安円高と
なっています。これは、当初の利上げを想定していたドル買い
ポジションの調整がおきていることが主な要因と思われますが
長期的にみてみると、ドル円は、リスクオンの時には、サポート
されるケースが多いです。したがってこのポジション調整的な
ドル安円高が終わると、超長期のサポートレベルである105円台
近辺がサポートされる可能性が高いと思っています。