ハングパーラメント(英総選挙で労働党と保守党の支持率接近)でポンド円の予想は?
イギリスポンドの動向を占う一番大きなイベントは
もちろん12月12日実施されるイギリス総選挙です。
今まで出てきている世論調査から保守党が過半数を
とるであろうという予想が市場のコンセンサスに
なりつつありましたがここにきて様相が変わってきました。
英紙インディペンデントの委託でBMGリサーチが実施した
世論調査では、与党・保守党の最大野党・労働党に対するリードが
6ポイントと、前週の13ポイントから大きく縮小したという
報道がありますが。
直近の英国総選挙の世論調査は
結果は11月30日に公表されたBMGリサーチが実施した
世論調査によると、保守党の支持率は39%と、前回調査の
41%から低下し一方で、労働党の支持率は5ポイント
上昇し、33%に達しています。
BMGの世論調査担当責任者ロバート・ストラザーズ氏は、12日の
総選挙を前に労働党に勢いが出てきている兆候は一段と強まっている
と指摘しています。別の世論調査であるユーゴブでは保守党が
過半数をとるとの調査を出していましたが、ここにきて流れが変わってきて
いるようです。BMGでは保守党が過半数を獲得できずに終わる可
能性もあるとみています。
選挙登録者数が過去最大
英国では選挙に登録する制度がありますが10月末に
国会が総選挙実施を決定して以降すでに310万人の
選挙投票者が登録しています。これは2017年の総選挙
の時と比べても大きな伸びを示しており、人々の今回の
選挙に対する関心の高さが伺えます。
一般的にこれがどっちに触れるのかといえば、現状政権
への支持というよりは、変化を求める選挙投票者数が
多いということを示唆していることが一般的です。
https://twitter.com/sterling7/status/1199267246641680384
ハングパーラメントによる影響は
この世論調査によると、世論調査で支持政党の変化を
目の当たりにしているようです。保守党のリードは
過半数獲得の公算大からハングパーラメントもあり得る領域に
入っていると分析されはじめています。
ハングパーラメントとは、どの党も過半数を得ることができず
結局議会で結論を出すことができない状況に陥ることです。
ハングパーラメントでポンド円の予想は
ここのところのポンド円の動向はポンドの堅調
な動きが続いています。保守党が過半数を得るだろうと
いう前提で、またボリス・ジョンソンが合意なき
Brexitを避けると宣言していることがポンドに対する
楽観論につながっています。
チャート:楽天証券より
長期のチャートから見ても。ポンド円は2016年の底値と今回の底値と
間でダブルボトムを築いている可能性があり、ポンド円は総選挙
に向けても上昇していくのではないかと予想しています。
仮に総選挙でコービン党首率いる労働党が躍進した場合は、再度
EU離脱に関する国民投票を実施すると公約しているので
ポンドにとってみれば、ポジティブな材料になるのではないかと
思わます。ただコービン氏の極端な左よりの政策には、市場関係者は
警戒している意見も多いですが、市場はこの選挙に対しては、Brexit
の行方について注目しているので、いずれにしてもポンド円の
流れは、現状の上昇傾向が続くとみています。