ハワードマークス氏(オークツリー・キャピタル)の2024年ゴルディロック楽観論に対する見方は!
ハワードマークス氏は、オークツリー・キャピタルの
創設者である、有名な投資家であり、また市場の分析力に
おいて有名な投資家ですが、彼が2024年の金融市場の見通しに
ついて、どういう見通しなのか気になるところです。
ハワードマークス氏はシカゴ大学出身で
低金利や金融緩和の弊害を多く挙げています。
ハワードマークス氏の見通しの経緯は
昨年5月、ハワードマークス氏は「潮目が変わった」と
題する書簡を顧客に送り、10月に公開しています。
今回のMemoでは、その変化をまとめています。
・1980-2021年は金利低下・超低金利の時代だった。
・これが投資の勝者・敗者を決めるなど多くの深い影響を及ぼした。
・2022年にFRBがインフレ退治を開始すると、状況は一変。
・(マークス氏予想)今後は一時的な不況対策を除き、以前の
ような金融緩和には戻らない、以前より金利水準は上昇し、
異なる投資戦略・資産配分が必要となる。
マークス氏のゴルディロックス思考への考え
マークス氏は現状のコンセンサスをゴルディロックスと呼び、こう指摘して
います。
・インフレは低下、2%に近づいている。
追加利上げは必要なくなる。
・景気後退は浅い、または訪れず、ソフトランディング。
・FRBは利下げが可能に。
・経済・市場にとって追い風に。
これらが、マークス氏が指摘している、現在の市場を取り巻いて
いるコンセンサスですが、彼は2024年にこのゴルディロックス相場
がくる見通しを否定しています。
マークス氏は、「職業人生の中で何度かゴルディロックス思考を目に
してきたが、ここまで長く続くのは珍しい。」と述べています。
ハワードマークス氏の最新の見方はl
マークス氏が最新のMemoによると
今後は米金利が以前より高いレンジに移行すると予想し、
いくつも理由を挙げている。
マークス氏は現状の「コンセンサス」の変遷を解説しています。
18か月前: 急激なFRB利上げが2023年の景気後退入りを
もたらすと考えられていたが、ハズレ。
12か月前: FRBが2023年中に利下げを始めると考えられていたが、ハズレ。
6か月前: 2023年中にあと1回利上げがあると考えられていたが、ハズレ。
コンセンサスが外れるたびに株式も債券も右往左往してきました。
現在の強気相場は6か月前のコンセンサスが外れたことで始まり、
目下のコンセンサスは12か月前のもの(の期ズレ版)に戻った
としています。
ハワードマークス氏のオークツリーはマクロ見通しに基づいた
投資は行わないのが前提で、同氏は「上記のコンセンサスが正しいか
どうかについて意見は持たない」と書いています。
そして、その直後その意見(予想)を述べています。
仮に現状のコンセンサスが正しいとしても、今後数年の
・金利は0-2%でなく2-4%。
・今後5-10年、FF金利の平均は3.0-3.5%。
を前提として市場をみているようです。
まとめ
ハワードマークス氏は、基本マクロを前提とした
投資を行わないスタイルのようですが、特に昨年から
市場のコンセンサスとなりつつある2024年のゴルディロックス相場
見通しについては、否定的なようです。
その背景には、低金利環境が長く持続することに
ついて懐疑的な見方をしています。
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