ハイイールド債の利回りが急激に上昇している要因と今後の見通しは
ハイイールド債市場でドミノ現象のように下落している状況
が続いているなかで、市場参加者たちは、新興国資産に、連鎖的
にネガティブ要因をもたらすリスクを警戒しています。
ハイイールド債の現状は
不安要因は、当初はそれがイタリアでしたがそれが
先週にはトルコにいき、今はブラジルにまで波及して
います。
先週だけでも、トルコ年債利回りは110bps、ブラジルでは
120bps上昇しています。この動きは、過去数ヶ月にわたって
加速していた集大成の動きとなっています。
新興国市場のソブリン自国通貨建利回りは、平均して5月初め
から190bps上昇し、2月末から255bps上昇しています。
不穏な兆候とは
先週一日で米国債10年利回りが10bp急落した動きが
この不穏な兆候を示していると考えています。
新興国市場資産が引き続き圧迫されているとすれば、
ハイイールド債が打撃を受けるまでに時間がかからないと
思われます。これは、特定のファンダメンタルズ的な要因では
なく、単に歴史的な関連性の性質によるものです。
ハイイールド債市場は、新興国市場とEUが金利変動リスクに
晒されているという直近な見通しのもと、脆弱なままである
と考えられます。
ハイイールド債のテクニカル要因は良好維持
この感情主義的な懸念を相殺するものは、依然として
非常に強さを示しているハイイールド債のテクニカル
要因です。ハイイールド市場では先週までにわずか13億ドルの
発行に対して、40億ドル近くのキャッシュを創出している。
今週は35億ドルの発行に対し、コールと入札で58億ドルを
見込んでいる。
まとめ〜今後の見通し
ハイイールド債市場のテクニカル要因、すなわち需給面
では今のところ順調のようですが、現在のような極端なリスク
センチメントの変化によって、徐々にこの状況も覆す
可能性があるとおもわれます。
したがって、ハイイールド債は、今後もまだ価格が下落し続ける
可能性が高いと思われます。