ノボトニーECB理事の発言によってユーロドル相場は転換した?
ここ数週間のユーロドル相場は下落に転じています。
2018年のユーロドル見通しについてここで語ったとき
今年のユーロドルは、さらに上昇する年であると解説
しました。とくにテクニカル的に過去数回しか起きていない
相場の転換が昨年の引け値から起きたために、今年の
ユーロドルはさらなる上昇トレンドに入ると解説
しました。
ところが、先日ECBの理事であるノボトニー氏のインタビュー
記事が流れユーロドルに影響を与えています。
ノボトニーECB理事の発言内容とは
率直にいって、ショッキングでおそらく自暴自棄にユーロドルが
陥った瞬間は、ECB理事会メンバーであるノボトニー氏が、
ヴィーナーツァイトゥンク新聞のインタビューでコメントした
内容です。
そのインタビュー内容とは:
Q トランプ大統領政権の特有の政府スタイルと彼のツィートは
国際金融と経済にとって危険で不安定な要因となるか?
ノボトニー氏:
全くその通りだ。我々に驚異をもたらしている2つの要素
がある。
1つ目は、アメリカ財務省が恣意的にドルを下落させ、ドル安を
保とうとしていること。
2つ目は、大統領や彼の政策に対してポジティブな影響を
与える賢明な人材がたくさんいるのだが、トランプ大統領の
側近にはだれもいないことだ。
とインタビューで答えたのです。
とくに最初の質問に対して、アメリカが恣意的にドル安を
誘導していると答えたことは、今後の波乱要因となりそう
です。
このノボトニーの言及は、注視するに匹敵し、ユーロドルは
さらに下落し、ここ最近の安値を更新しています。
ユーロドルは転換してしまったのか?
個人的には、そうとは思いません。
なぜならば、世界的な株価の動きに変調が出てきて
おり、ドルの金利も上昇一辺倒から変わってきそう
であるからです。
ユーロドルは中長期のテクニカル節目であった1.25を
つけてから、コレクションに入っています。
対外的な通貨論争に加えて、来月イタリアの総選挙
が控えているだけに、しばらくは、まだこの調整の
動きが続くと思いますが、中長期的な上昇トレンドは
生きていると思っています。
当面の政治イベントをこなした後は、ユーロの量的緩和
の解消と金利上昇が今年は注目される可能性が高いと
思っています。
そして、アメリカについては、株安を気に始めたトランプ
政権が、金利上昇にも歯止めをかける可能性もあり、
中期的にはユーロ高ドル安のトレンドなかで、現在の
動きは調整であるとみています。