ナイジェル・ファラージ党首(ブレグジット党)は無責任と言われるが12月総選挙の戦略は?
ジョンソン首相が公約にあげていた10月31日でのブレグジット
が結局延期されることが決定し、ジョンソン首相の最後の賭けとも
いってもいい、総選挙の実施に野党労働党も賛成し12月に実施
されることになりました。
そこで気になるのが、そのジョンソン首相が率いる保守党が選挙
で勝つことできのか?現在議会で過半数を失っている保守党にとって
この総選挙がブレグジットに関しては最後の賭けともいっていい
大勝負だと思います。
そこでこの総選挙で鍵を握る党があります。
それがナイジェル・ファラージが率いるブレグジット党です。
彼は、党の名前の通り、EU離脱を強固に進めようとしている
人物で、合意なき離脱を支持している党首です。
そしてジョンション首相も今回の選挙について保守党のやり方
でのEU離脱を問う選挙にしていますが、どうもファラージ党首と
ジョンソン首領の間では、ブレグジットについて乖離もあるようです。
As the weeks go by and people discover what’s in this deal, they won’t like what they see.
It’s 95% the same as Mrs May’s new EU treaty. pic.twitter.com/davW7wvmG2
— Nigel Farage (@Nigel_Farage) November 2, 2019
ファラージ党首の考える総選挙戦略は
英「ブレグジット党」のナイジェル・ファラージュ党首は、ジョンソン首相が
EUとの離脱協定案の破棄を拒み、合意なき離脱を公約しないなら、
12月12日の総選挙では全ての選挙区に候補者を立てて戦うと宣言しました。
これは大きなことで、ジョンソン首相は先月に10月までの離脱に必死
なことから、メイ首相のEU離脱合意案とさほど変わらない
妥協案でブレグジットを実現しようとしました。
しかし、この案はブレグジットを推しているブレグジット党にも評判が悪く
また現在議会で協力を得ている北アイルランドの政党DUPからもこの案は
総すかんをくらっています。
ファラージュ氏はロンドン中心部で開かれた総選挙への決起集会で、首相が
10月17日に合意した離脱案は「売国」に相当し、「離脱ではない」と批判
しているのです。そして投票日までにすべての有権者にそれを知らしめると
語っているのです。
ファラージ党首の評判は無責任?
ただファラージ党首の主張はブレグジットですが、
その影響については、前回の国民投票で国民に
バラ色のことばかり、また現実のことを伝えていない
「無責任」である評された経緯もあります。
ただ、他の党に対する信頼が失せているなかで、これだけ
はっきりとした主張していつブレグジット党はEU離脱支持者
に最も信頼を得ている党です。
次の総選挙で焦点となるのは、合意なきEU離脱を行ったとき
の影響について、国民がどのような判断を下すのか?という
ことです。現状世論調査をすると、ブレグジット党や、あるいは
全く逆の支持をする左よりの党のほうが、保守党や労働党よりも
しっかりとした支持者が集まっているということです。
ナイジェルファラージ党首の総選挙の戦略は
If The Times are right and @BorisJohnson will abandon a clean break Brexit, and he wins an election on this, we will never be free of EU rules. https://t.co/C5OIShRIy7
— Nigel Farage (@Nigel_Farage) November 2, 2019
ファラージュ氏は一方で、ジョンソン首相の保守党と「不戦協定」を結び、
労働党を倒す上でブレグジット党の方が保守党より有利な選挙区では、
保守党が候補を取り下げるように取り決めたいとも述べています。
要するに対労働党で保守党と共闘を結ぼうとしていると同時、自分たち
の主張である合意なく離脱についても、保守党にも公約としてほしい
というボールをジョンション首相に対して与えたのだと思います。
労働党が支配し、保守党が一度も勝ったことのない選挙区は
全国に約150ありますが、これを解決する唯一の方法は、EU離脱派の
連合を全国で打ち立てることだ、ということは保守党もブレグジット党
もわかっています。
保守党関係者の間では、一部の選挙区で反EU票がブレグジット党とで割れ、
勝てたはずの選挙区を落とすことをどうしても避けたいのです。
しかし現状保守党はジョンソン氏を「EU離脱を成し遂げる」人物として
売り込むことに賭け、ファラージュ氏の提案を拒んでいるのです。
そうなると、ブレグジットの内容が違う両党の間でも選挙対立が起こる
ことになり、これが労働党にどのように左右するのか注意を払うことが
重要であると思います。