ドルのLibor金利の推移が急上昇していることでドル円への影響は?
一月以上に渡って警告されてきましたが、軽視されている時に
最も警戒すべきことは、LIBOR、LIBORとOISのスプレッド、
そして短期資金調達コストが急上昇していることで、
リスクアセットのリスクファクターが上昇することです。
LIBORが上昇することによる問題点は
米系の大手投資銀行のエコノミストは、LIBORが急上昇
していることは、FRBが利上げをしていることよりも、
もっと深刻な問題であり、年間を通しての大きな問題に
なり得る、と警告しています。
ドルのLIBORは2月7日以来31日連続して上昇し、
2008年以来の高水準である、2.2711%に現在に達して
います。
そしてLIBORとOISのスプレッドに象徴される
リスクフリーレートは、今年の1月末から倍に跳ね上がり、
55.6bpsへと上昇しています。これは2009年以来経験していない
水準です。
このリスクフリーレートが上昇するということは、貸し付け
市場がタイトになっていることを表すことになります。
OISが銀行間の翌日物借り入れコストを表しているのに足して
LIBORは、個人に対しての貸し付け金利のベンチマーク
になります。
このLIBORが上昇しているということは、これだけ借り入れ残高
が膨張している個人に打撃を与える懸念も強まってくる
ことが懸念されます。
市場に与える影響は
LIBORの上昇が、市場が停滞している主な理由に
なっている可能性が高いです。FRBの
利上げではなく、個人の借り入れコストが急上昇している
ことが今年の大きな問題になりつつあります。
大手銀行のアナリストは警告するようになっています。
このLIBORの上昇は、今年の高値に達した1月の第3週の高値
がすでに今年の株価の高値であるという見方を後押し
しているようです。
言い換えれば、今年は上昇相場は終焉して、
今年の残りの株式市場は、単に難しい市場になるという
見方が強まっています。
ドル円市場に与える影響はどうか?
ドルの金利が上昇しているのだから、ドル高になるという
見方もありますが、LIBORの上昇にょって株式市場が
停滞するとなると、リスクオフの動きから、ドル円も
円高になりやすい展開になることが予想されます。
ドル円は、同時に、貿易問題のリスクも抱えており
当面のドル円は、停滞した状況が続くと思われます。