ドルの全面高の様相
1.30台前半のレンジを続けていたユーロドルが今週このレンジを下割れ
昨日の海外で一時1.2800までのユーロ安ドル高相場となりました。
今月発表された米国雇用統計以降形成は大きく変わりつつあり長期金利も
世界的に上昇基調、米国10年国債利回りは約30ベーシスの上昇し1.95%
へと上昇しています。
この展開はユーロ安、円安というよりもドルの全面高といったほうが適当と
思われます。
主な要因は、先週から米国の量的金融緩和政策の出口を模索する気配が出始めて
いることです。
木曜日の新規失業申請件数では、期待を裏切るような結果が出ましたが、昨日
発表された5月ミシガン大消費者信頼感速報値では83.7と先月の最終値の
76.4からの大幅改善となり、ドル高、債券売りに拍車がかかったかたちと
なりました。
ここ最近の経済指標が予想し辛い強弱まちまちになっているのの、総じて上昇
トレンドであることは間違いなさそうです。
ただ政策決定のカギを握るのは雇用であるといっても過言ではないので、次月
の雇用統計発表にむけてのイニシャル・クレームの数字などに神経質になる
展開が続きそうです。
2か月続けて良好な数字が出れば、現在にわかにタカ派の連銀理事が示唆して
いるこの夏以降に現在の850億ドルの債券購入スキームの変更も警戒から
織り込みにはいるような展開も予想されます。
本日バーナンキ連銀総裁の講演が行われるますが、中期的な経済展望をどう
描いているのか注目されるところです。
↓のチャートはユーロドルの週足のチャートですが、現在ユーロは赤いサポート
ラインのところまで下落しています。
かたちは典型的なヘッド・アンド・ショルダーのフォーメーションで上値が
重い形とサポートを抜けると、昨年の9月の安値を目指す展開となりそうな
チャートです。