ドイツ銀行危機が払しょくできない理由と次の問題はウニクレジット銀行?
ドイツ銀行の現状は
ドイチェバンクは他行を苦しめている問題のすべてを抱えているだけでなく、
その問題のほとんどが他行のどこよりも悪い状態い陥っていることです。
経費は最大級であり、バランスシートは最も肥大化している銀行に含まれ、
一方で長期の収益性も最悪級となっています。
トレーディング勘定の抜本的見直しの新規制が施行される2019年には、要件を
満たすため同行に追加資本が必要になることは明白となっています。しかも、これは罰金や
和解金によりバランスシートがさらに膨らむことを考慮しなくてもすでにそうなって
います。
欧州の雄だったはずのトレーディング収益が
さらに悪いことに、どのような和解に達したとしても、すでに収益面で他行に劣っている
うえさらに多くの非生産的なリスク加重資産を抱えることになり、10年近く利益が
圧迫される見通しとなっていることです。
ドイツ銀のリスク加重資産は、既に同行グループのバランスシートの約25%を占めていて。
さらに市場関連事業においては最大40%に達する可能性もあります。
さらにドイツ銀は他行の多くと比較してレバレッジも高く、世界の規制機関が銀行内部の
リスクモデルが過剰に異なることのないよう試みる中、基準の変化による影響を受けやすく
なっています。
資産運用事業の売却あるいはコメルツ銀行との合併?
これには手っ取り早い解決策はない。資産運用事業の売却によって一部資金が得られる
可能性はあるが、長期の収益は悪化する可能性があります。コメルツ銀行との合併では代償を
伴いつつも効率化は可能だろうが、その後の見通しがたっていません。
問題点はドイツ銀行がたとえ生き残ったとしても興味を示してくれる投資家がほとんど
いないことです。そしてもう一つ欧州の金融機関の火種はウニクレディット銀行です。
12月に延期された国民投票次第で混乱も
ウニクレディトの資本基盤を少なくとも80億ユーロ増強する
計画です。200億ユーロに上るとされる不良債権の思い切った処理に踏み切るかが、
同行の鍵となりそうです。そのためには資本増強が必要となるのですが
レンツィ首相がすすめる救済策が国民投票で野党である五つ星にとって代わる
と見通しがたたなくなってしまいます。
この秋はこれらの欧州系金融機関の懸念が市場の重しとなる展開が続き
そうです。