ドイツ銀行はカタール王国に支配される一方でドイツ政府に増資引き受けを否定される?
ドイツ銀行の約10%のシェアを握っているのがカタール系の投資家
すなわちカタール王国です。彼らを満足させることはドイツ銀行クライアン
CEOの重要な任務となっています。
ドイツ銀は増資の必要性はないと繰り返し述べていますが、
状況が一段と悪化すれば他の手立てがなくなるかもしれず、
新たな出資を仰ぐ先がカタール系となるであろうことは想像に難くないです。
ドイツ政府には増資引き受けを否定される?
ドイツでは先週、少数の議員を集めた非公開会合が開かれた。匿名を条件に
取材に応じた人物によると、その席で首相の補佐官や財務省高官は
政府がドイツ銀行の株式を引き受けることは考えられない、と述べています。
「2009年の時とは違う銀行破綻処理システムがあり、それがドイツでも
適用されるべきだ」と語っています。これはユーロ圏で、公的資金に頼る前に
株主や債権者による損失負担を義務付ける仕組み(ベイルイン)のことを指して
います。
この主張はドイツ政府に一貫しているようですが、一方で水面下でアメリカ当局
とドイツ銀行への制裁金のことで交渉にあたっているとのうわさもあります。
ドイツ銀行の救済先はカタール王国となる?
カタール王族は自らを長期株主と呼んでいます。ドイツ銀が今年に入り危機に見
舞われる中で手をこまねいているわけでもないようです。
カタール王族とその投資顧問に近い関係者の1人は、増資が行われれば投資機会
とみなされると述べています。複数の関係者によると、王族らが他の政府系ファンド
との共同出資について協議しているとのことです。
ドイツ銀が今年発表したところでは、ハマド・ビン・ジャーシム氏は最近、数億ドルを
追加出資して王族系投資会社の持ち株比率を10%近くに引き上げ、一族合わせて最大の
株主となっています。
関係者によると、カタール王族は利益の悪化に加え、投資銀行や資産運用といった
中核事業の人材流出に懸念を募らせているようです。
カタール王国が今後のドイツ銀行の命運を握っているといっても過言ではなかも
しれません。