トランプ関税どうなる?実際の米国経済とドル円への影響は?
トランプ大統領が仕掛けいる貿易戦争は止まらない
様相を呈してきました。
ここ数週間に複数の関税措置が現実化し、
大規模な追加関税の脅威も浮上してきています。
トランプ関税の内容とは
トランプ大統領によって最初に発動された関税の一つは、
洗濯機に対する20%の関税です。
輸入業者は関税を消費者価格に転嫁することができ
洗濯機ではすぐにそうなりました。米国の主要インフレ指標
である労働省の消費者物価指数で、洗濯機の価格指数は
ここ3カ月に約17%の大幅上昇しました。
トランプ氏はさらに、3月1日に鉄鋼・アルミニウム関税を発表し
一部の国に対してはほどなく発動されました。EUやカナダ、
メキシコは交渉の猶予を与えられたが、それも今月初めに
期限切れとなりました。
トランプ関税でどうなる?
鉄鋼・アルミニウム製品の価格がすぐに上昇し始め、
3カ月間の価格上昇率は長年の統計でも最高水準に達して
います。しかし上昇率は通常の鉄鋼市場の変動幅を
大きく超えるほどのものとなっていないようです。
影響が限られる要因が、こうした鉄鋼製品が一般消費財に
占める割合がすくないことです。
結局関税が全体として雇用減につながりやすくなります。
米国では鉄鋼を製造するより消費する企業の方が圧倒的に多いので
関税はコスト増と利益縮小につながり、採用抑制という
波及効果を引き起こす可能性があります。
関税の影響はインフレを誘発する増税にも似ています。
現時点では極めて小幅ですが、GDPを押し下げ、
実質賃金に悪影響を与える可能性があります。
ドル円への影響が大きい?
米国の輸入額は今年、約3兆ドルとなる見通しですが
これまでのところ関税はそのごく一部しか対象にしておらず、
影響はまだ限定的です。米国はGDPに占める輸入の割合が
約15%と、世界平均の28%を大幅に下回り影響は小さいです、
言い換えれば、世界最大の貿易赤字を抱えていながらも、
米経済は他国に比べ貿易への依存度が低いことになります。
一方で日本は、貿易への依存度がとても高い国で、貿易障害
がドル円相場にも影響を及ぼすことが考えられます。
アメリカにインフレ圧力と、利上げの見通しが強まること
からドル円はドル高につながりやすいのではないかと思います。
かんぜいと米国経済との関係は
これまで発表された関税によって、2019年までに
約14万5000人の雇用が失われるとの見通しが
でています。
ただ、1000億ドル相当の中国輸入品に関税対象を広げ、
自動車などに対する関税の脅しも現実のものとなれば
影響は拡大し、19年末までに50万人超の雇用が失われる
見通しもあるくらいです。
関税の基本的な影響は「増税のようなもの」だとし、
「ただし米国では赤字財政の下、極めて大規模な減税が実施されて
いるので、今回のトランプ関税はこれを一部帳消しする
ものになってしまう可能性が高いです。
まとめ
トランプ関税によってどうなるか?の問いには
アメリカ自体は、それほど経済ダメージはうけない
という見方です。それよりも、貿易黒字国である
日本などの影響のほうが計り知れないものとなる
可能性があります。