トランプ氏劣勢で大統領選挙の見通しが見えてきたことで市場の見通しは
当初は波乱要因となると思われていた大統領選挙ですが、
ここにきて大勢がはっきりしてきたように見えます。
大差をつけはじめたクリントン優勢情勢
14日に公表された米CBSニュースの世論調査によると、選挙で投票に行くと答えた
ニューハンプシャー州の住民の45%がクリントン氏を支持しており、トランプ氏へ
の支持は36%となっています。両党にとって極めて重要なフロリダ州でも、クリントン氏
が45%でトランプ氏の40%を上回っています。
今月上旬に公表されたアトランタ・ジャーナル・コンスティテューション紙の世論調査でも、
ジョージア州でのクリントン氏の支持率は44%でトランプ氏の40%を上回っています。
同州は1996年以降の全ての大統領選で共和党候補が勝利を収めているが、今回は驚くほど
の接戦になっているもようです。
CBSの世論調査に先駆けて発表されたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCテレビ、
米マリスト大学世論調査研究所の調査では、コロラド、バージニア、ノースカロライナの
3州でクリントン氏が大きくリード。フロリダ州でも接戦ながらクリントン氏が優位に
選挙戦を進めています。
選挙人だともっとクリントン氏に優位に
世論調査はどちらかといえば人気投票の色合いが強いですが
選挙人をベースとした調査だと、もっと差が開いているようです。
重要な州でクリントン氏が優位に展開していることが、世論調査
よりも実際の差は開いていることを示唆しています。
市場はクリントン氏当確で動こうとしている?
トランプ氏が大統領になった場合の市場への影響は、とても
不透明、とくにドル円はどうなるのだろう、と円高に対する警戒が
強かったですが、大統領選に対する懸念は薄れてきているようです。
それでもドル円は101円台前半での膠着状態が続いていますが、
9月の利上げ観測が後退してくると、ドル円も上昇しづらくなって
きています。
トランプ大統領懸念が薄れると、それだけドルの買い持ちができ易くなり
それが逆にドルの上値を重くするという短期筋中心の動きに夏の間
続きそうです。