トランプ予算教書はマコーネル共和党上院議員と政権との間でさらなる対立を招く?
トランプ政権は23日、2018会計年度の予算教書を議会
に提出しました。その中身は、予算案の規模は4兆1000億ドル
で社会的セーフティーネットの大幅な見直しを促す内容
となっています。低所得者向け公的医療保険や食料配給券
といった制度に充てる予算の大幅削減を求める一方で、
達成困難とみられる高い経済成長率を織り込んでいます。
共和党穏健派からも反発内容
連邦政府の歳出が10年間で4兆5000億ドル減り、
目先の国防費の増大、2000億ドルのインフラ投資、190億ドル
の新育児休業制度といった増額分を十二分に打ち消す内容です。
また減税で経済成長に弾みがつき、歳入増によって財政赤字が
10年で解消すると想定した内容なっています。
この予算教書は議会の強い反発を招きそうで、身内の共和党で
さえも対外援助、農業補助金、低所得世帯向け医療支援制度
といった分野での予算削減に難色を示しています。
トランプ氏は大統領選中にメディケイドには手をつけないことを
公約に掲げていたにもかかわらず、予算教書ではメディケイド予算の
8000億ドル超の圧縮を歳出削減の主な源泉としています。
経済成長3%が前提の予算
計画では経済成長率が21年までに3%に達し、10年以内に
財政収支が均衡することを想定しています。
上院のリーダーであるマコーネル氏も検討するに
値しないとトランプ政権の予算案をバッサリきって
います。
議会では、さらなる修正を余儀なくされ、減税計画に
ついては、財政調整法のもとでの10年を限定したものに
なりそうです。