
トム・トゥーゲンハット委員長の警告が的中しポンド円はさらに暴落するのか?
下院外交委員会のトム・トゥーゲンハット委員長が
フランスのビアリッツで24日から開かれる主要7カ国(G7) 首脳会議に
先立ち、EUからの「合意なき離脱」
を強行し、その後総選挙に打って出ることもあり得ると
がツイートで言及し警告しています。
トゥーゲンハット氏は、休会中の国会であれば、ジョンソン氏
は議会の了解を得ないEU離脱を実現できると主張しているのです。
ジョンソン英首相が議会の反対派の機先を制するため、この手法
に打って出る可能性を言及しているのです。
What odds would you give on:
1 UK exits EU by 24 Aug – in time for G7 or before Parliament returns. Art 50 passed so nothing to stop unilateral withdrawal.
2 General Election straight after to get majority.
3 Answer Irish border Q with NI only referendum on NI only backstop?— Tom Tugendhat (@TomTugendhat) August 14, 2019
このタイミングでEU離脱は可能なのか?
トゥーゲンハット氏は、合意なき離脱に反対の立場を
取っていますが、ジョンソン首相は9月3日の議会再開を待たずに
EU離脱を断行するために現在休会中の議会の承認を必要としないという
手法を取ろうとしていると警告しています。
しかしそれでなくても市場が悪化しているこの状況で、不意をついて
合意なきEU離脱をしてしまったらどうなるでしょうか?
産業界だけでなく市場に不意打ちを加え、規制環境の予告なしの
突然の変化への対応に企業は追われる恐れがあり、現在世界的な
マーケット悪化が進んでいるなか、絶好の売り機会を与えてします
恐れがあります。そして、8月に合意なき離脱を強行した場合
夏休みの旅行で往来する有権者を直撃することになりかねないと
警告しています。
法的には違法となるとの意見も
トゥーゲンハット氏の法の解釈について異論もあります。
エセックス大学のスティーブ・ピアーズ教授は、離脱日の
変更についてもEU側の同意が必要となると指摘しています。
一方的に離脱日を変更する場合は、違法となることを
指摘してます。
Point 1 legally requires secondary legislation under the Withdrawal Act. But s 20(3) of the Act suggests that a change of date can only be "in accordance with Article 50(3)" TEU. So the EU would have to agree to change the date. "Unilateral" change of date is therefore illegal.
— Steve Peers (@StevePeers) August 14, 2019
合意なき離脱でポンド円はさらに暴落する?
もし不意をついて、国会休会中にジョンション首相が
EU離脱を決行した場合は、これは市場にとっては
サプライズで絶好のポンド円の売り機会を与えてします
リスクが高まると予想します。
合意なきEU離脱はジョンソン首相になって、ある程度市場
に織り込みながらポンド相場は展開していると思いますが
現在のような、世界的なリセッション恐怖が高まっているなか
また逆イールドカーブが進んでいるこのタイミングで
このニュースが飛び込んでくると、さすがに市場はショックを
受けると思います。
(チャート:楽天証券)
↑は過去5年のポンド円動きですが、Brexitが決定した2016年の
ボトムを現在トライしようとしています。
とくに最近のポンド円の下落は拍車がかかっており、二番底で耐えられるか
どうか微妙なところです。
もし8月のEU離脱となると、これはあまりにも不意を打たれる格好
になるので、すんなり底を割ってしますリスクが高まると思われます。
まとめ
英国議会は、メイ首相時代に合意なきEU離脱を阻止する
法案を通して、保守党のEU離脱強硬派の暴走を食い止めて
いますが、その法案の抜け穴となると言われているのが
国会が休会中の時です。それを狙ってジョンソン首相が
EU離脱を強行すると前から噂されていますが、それを保守党内
で警告したのが今回の保守党内の発言です。
ポンド円相場はある程度、EU離脱を織り込んだうえでの相場
をすでに形成していると思いますが、このタイミングでの
離脱はさすがに市場にショックを与える可能性が高いと思います。
もし、法的に違法であることから、10月まで見送られるのであれば
個人的には、ポンド円はセルオンファクトで絶好の押し目買い機会
になるのではないかと中長期的には思っております。