デッドシーリング問題の3ヶ月先延ばしでマーケットの懸念を払拭できるのか
トランプ大統領は、昨晩民主党議会と債務上限問題
を3ヶ月先延ばしすることで合意しました。
しかし、この合意は、共和党幹部の反対のなか
トランプが単独で決めたみたいで、これは単に問題
の先送りどころか、12月にさらにこじれそうな
様相も呈しています。
市場は例年よりもデッドシーリングを懸念している
債券市場が、債務上限問題で米国政府がまもなく
資金不足に陥るのではないかと懸念しています。
この合意前に実施された200億ドルの短期債の入札では
2008年の金融危機以来の最も高いイールドをつけています。
利回り1.3%は、2013年に政府機関が
シャットダウンしたときよりも、高い利回り水準です。
このことは、債券トレーダーが、政府が資金不足に陥る
ことによるプレミアムを要求していること示唆しています。
エコノミストにょるとこの入札結果はおそろしい、との
意見が大半となっています。
3ヶ月先延ばしも懸念は払拭されない
この日は、週末の北朝鮮の核実験をうけて、米国債券自体
が強い地合いだった。10年国債利回りは、8bps下落して
2.07%となり、この水準は大統領選挙後最も低い水準だった。
債務上限に関わる期間の債券の利回りは、比較対象可能な過去の
同じ事例の時よりも突出して高くなっています。
問題先送りでデッドシーリング問題は更に悪化?
上記の入札結果から、マーケットは、トランプ政権と
共和党議会が債務上限問題を解決できることに疑問符
をもっています。今回の先延ばし合意が、マーケットに
短期的には好意的に受け止められても、共和党幹部がこの
合意に反対したことを考えると、トランプは見事に
民主党の術中にはまったということなります。
今回債務上限問題の先延ばしは、時間稼ぎをしたという
よりも、さらに、12月にハードルを高くしてしまった
と思ったほうがいいと思われます。