デイビッド・ストックマン氏が警告するコロナ後のFEDバランスシートとGDP成長率の関係と予想は!?
デイビッド・ストックマンは、アメリカ共和党の重鎮で
ありましたが、現在はそのキャリアから、経済についての
コメントを出されています。
デイビッド・ストックマンの経歴は
デイビッド・ストックマンは、ミシガン州下院議員で
行政管理予算局長です。
テキサス州生まれで、1972年共和党下院議員総会事務局長
を経験してます。’77年より2年間ミシガン州下院議員を務める。
81〜85年にレーガン政権下で行政管理予算局局長として活躍
しています。
現状のFEDバランシートとGDPは
5000万人の失業者をどうやって解決するのか見通しが
たたない中で、株式市場は記録的な高値で推移しています。
企業は株を買い戻し、そして政府は財政面で青天井の
大盤振る舞いをしています。
FEDは7兆ドルにまでバランスシートを急激にふくらませて
います。。
そして、投機筋はこの政策にベットして株式市場の上昇を
助長しています。
資本主義の成長を促進するためには定期的な資金注入が必要だと
しても、中央銀行のバランスシートが長期にわたってGDPよりも
桁違いに速く拡大していくことにストックマン氏は疑念を
もっています。
1987年に米国で力強い成長を遂げたGDPが、GDP100ドルあたり
5ドルの中央銀行マネーを必要としていたのが、その比率が2008年と
2020年では全く異なった状況になっています。
下のFRBのバランスシートとGDPのチャートは、2003年1月の時点で
100を指数化したものです。
1987年6月の名目GDPは4.8兆ドルでしたが、現在の推定では、
2020年6月には19.4兆ドルに達しています。これは33年間で
4.1倍に拡大したことになります。
過去17年間で、FRBのバランスシート(紫の線)は、GDP(赤の線)
が192%にしか上昇していないのにもかかわらず、当初の値の983%
まで上昇しているのです。。
対照的に、FEDのバランスシートは、グリーンスパン氏が1987年8月に
就任した前夜には約2400億ドルだったが、2020年第2四半期末には
7.2兆ドルにまで膨れ上がっています。これは30倍まで膨れ上がって
います。GDPが約4倍に対して、FEDバランスシートは約30倍
膨れ上がったということです。
デイビッド・ストックマンの見解は
この現象が起きている要因は、過剰な流動性、負債、投機です。
これは、アメリカ社会のあらゆる分野における金融規律の
完全な崩壊であるとストックマン氏は語っています。
FEDのバランスシートがGDPに対して巨大に過剰した状況
になっていることは、自然に起きたことではありません。
2000年代初頭とドットコムの暴落以来、この状況はさらない
加速しています。
ストックマン氏の見解によると、金融経済の世界がひっくり
返り、債務と投機のコストを組織的に抑制し、金融資産の
価値を大幅に上昇させる効果があったから、FEDのバランスシート
が加速的に拡大していった。その結果、誰もが誤った価格シグナル
を得て、それに応じて行動を変えていったとデイビッド・ストックマン氏
は語っています。
ウォール街の投資家はレバレッジをかけた投機家になった、と指摘しています。。
そして、中流階級の家計は借金をして生活する借金奴隷になってしまった。
政府は、ただ公債を積み上げ、先の見通しがたたなくなっていると指摘
しているのです。
まとめ
財政規律派でもあるデイビッド・ストックマンは、現在のFEDのバランスシート
の拡大と同時に政府の債務が膨らんでいることに危機感をもっている
ようです。彼は、GDPとの対比でこれを説明していますが、このコロナ禍に
おいて、この現象が急激に加速しています。一方で株価は上昇を続けて
いますが、この矛盾のつけがいつかまわってくることを警告しています。