テザー(Tether)取引ビットフィネックスが抱える問題点と仮想通貨の課題は
今回は仮想通貨の決済処理についての問題点をさぐってみた
いと思います。
仮想通貨で問題点となるのは、銀行に敬遠される仮想通貨業者は
往々にして、決済処理などの金融サービスを、えたいの知れない仲介業者の
手に委ねることです。仮想通貨取引所ビットフィネックスから
顧客の資金が消えるという謎の事件を巡り、こうした問題が浮き彫り
になってきました。
仮想通貨が抱えている問題は
仮想通貨が抱えている問題は、金融システムにアクセス
しにくいことです。不適切な取引を巡る
多額の罰金でなお痛めつけられている銀行は、麻薬ディーラーや詐欺師などが
好んで使う仮想通貨に関わって身動きが取れなくなることを警戒している
からです。
したがって、仮想通貨業者はしばしば、クリプト・キャピタルのような無名の
決済サービス業者に頼らざるをえなくなっているのが実情なのです。
テザー(Tether)とはどんな仮想通貨?
テザーは、ビットコインブロックチェーン上に記録される
Omniトークンとして発行されます。そのため銀行よりも
安全に価値を保存でき、またビットコイン同様に少額の
取引手数料で送金が出来ます。一方で法定通貨という
価値の裏付けを持つ暗号通貨トークンとして、
ビットコインなど多くの暗号通貨に比べ価値安定した
暗号通貨を実現しています。
このようにブロックチェーンの利点と機能性を活用しつつ、
ブロックチェーン上でより安定した価値の移動を実現できる、
新たな選択肢を提供します。
ビットフィネックスに起きた問題点は
人気の高い仮想通貨「Tether(テザー)」の取引を手掛ける
ビットフィネックスは、顧客の資金引き出しに対応するため、
パナマを拠点とする決済サービス会社クリプト・キャピタルに
8億5000万ドルを送金した後、資金にアクセスできなくなりました。
それ以降、クリプト・キャピタルの法的問題が明るみに出ています。
ポーランド当局はクリプト・キャピタルが保有する
銀行口座にあった約2億7000万ドルを差し押さえています。
現状クリプト・キャピタルとビットフィネックスもコメント要請に
応じていません。クリプト・キャピタルの所有者は不明であり
パナマの法律では名ばかりの取締役を挙げることが認められており、
実質的な所有者の公表は義務付けられていません。
ビットフィネックスがクリプト・キャピタルとの金融取引で陥った状況は、
歴史の浅い仮想通貨ビジネスが抱える慢性的な問題を浮き彫りにして
いるようです。
ビットフィネックス問題の発端は2017年にさかのぼります。台湾にある取引先銀行と
米顧客の間の送金処理を米銀大手ウェルズ・ファーゴから突然拒否されたため、
クリプト・キャピタルに頼ざるを得なくなったのです。クリプト・キャピタルは
その後も、当局に閉鎖されるまでサービスを提供し続けましたが、差し押さえに
よってビットフィネックスは顧客資金にアクセスできなくなりました。
結局ビットフィネックスは米ドルと連動するいわゆるステーブルコインの
テザーにひも付けした準備金で、8億5000万ドルの損失を補てんしました。
仮想通貨の理想との矛盾点は
仮想通貨の元祖ビットコインは、銀行や仲介業者なしに直接取引できる
一種のインターネットマネーとなる構想を掲げていました。初期には、
ユーザーはデスクトップパソコンでビットコインをマイニングすることが
できました。しかし、取引が大きくなるにつれ、
マイニングは大規模な演算能力を備えた企業が携わる一つの事業分野となって
しまい、このため個人でビットコインを手に入れるには購入するしかなく
取引所の存在感が高まったのです。
しかしながら、取引所はドルやユーロ、円といった国際決済通貨を
通じたビットコイン購入を処理するため、銀行を必要としているのです。
しかし、銀行は仮想通貨絡みの取引に手を引こうとしている
のが現実のようです。
まとめ
銀行は未知のものを徹底して恐れているようです。
コインベースやジェミニといった仮想通貨取引所は規制を順守し、
銀行との取引関係を築いていますが、他の取引所はそうなって
いないのが現実です。
ここに大きな矛盾があるのは、仮想通貨の特徴として
匿名性に引きつけられる一部顧客がいてそうした取引所の
利用が広がりましたが、銀行はそれを嫌い、銀行から閉め
出されることになっているのが現状のようです。