ダイナミックスコアリングという禁じ手を使うトランプ減税法案?通過しない場合の市場の影響は?
もしトランプ減税法案が、予算との照合が必要となる調整法
の下で議会を通過させるのなら、予算は、12月8日のデッドライン
前までに議会を通過させる必要があります。しかし、
もちろんそれは、税制法案が今年中に通過させる場合です。
予算審議が本当のデッドラインである12月8日以降にずれ込む
可能性は十分にあり、税制法案自体は2018年のいつかに遅れる
可能性が現在のところ高いです。
通過が難しい理由は
12月8日までに予算案が通過するかどうか懸念する理由が
あります。それは、現政権と共和党幹部との間で摩擦がある
からです。その問題に加えて、2018年度予算案について財源と哲学
の両方で上院と下院との間で大きな隔たりがあります。
その違いは主に社会保障や社会問題にまで至っています。
この理由で、上院は「shell」予算と言われる、予算案を共和党は
提案していますが、それは、トップラインの数字だけを提供して、
それが税制法案と照合可能になるというものです。
しかしながら、下院は、特定された概算数字を
要求して反対しています。その作業は、上院と下院の両方で
今も続いています。
掟破りの減税法案成立を目指す
昨年通して、上院与党の幹部は、いかなる税制法案も歳入中立
あるいは赤字中立でなければならないと要求してきました。財務長官
を含めた政権は歳入中立は、ダイナミックスコアリングと呼ばれる、
減税による経済が拡大することによって達成できることを主張して
きました。しかしながらこれは、とても疑わしい手続きで、我々は
少なくとも、予算をスコア化算出することに反対している予算強硬派
の動向を見る必要があります。
もちろん、多くの基本的に予算強硬派の考えの持ち主も、減税の誘惑
にかられて、最近は自らの長期的な考えを、脇に置く議員もいます。
したがって誰が、実際にダイナミックスコアリングを使うことを反対
するのか未だ不確かですが、コーカー上院議員は反対するそのひとり
となっています。
結局10年の暫定減税となる可能性が高い
予算は単に多数決で通過する場だけでなく、より長きに
わたって影響を及ぼします。そこには10年先を見る期間が
あります。もし赤字が10年を超えて増えるなら、その税制法案は、
その後に以前の税率に戻さなければなりません。だれもが、
恒久的な減税を要求しているが、減税幅が大きく、そして
歳入や歳出の相殺が十分でないなかで、どう決定されるのか
未だ不透明なままです。だからダイナミックスコアリング
が大きな役割を担い、そして上院が議会予算委員会に
この法案を算出させることを拒んだ理由のようです。
ダイナミックスコアリングによる減税法案
1.5兆ドルは、ダイナミックスコアリングが構成できるあろう
金額だと言われています。言い換えると、減税のための部分的
な相殺であるが問題は残ったままです。議会予算局が、その金額を
ダイナミックスコアリングに含めることを許可することは
おそらくないと思われます。そして上院は、問題となる
議会予算局のスコアリングを経ないで、予算案を通過させよう
としているようです。もしダイナミックスコアリングが
使われないのなら、恒久的減税案を通過させるためのたったひとつの
方法は、それを相殺する項目を探してくることしか
ありません。もしできないのであれば、その法案は議会を
通過するかもしれないが、10年後には消滅してしまいます。
12月8日前までに何かが通過するとは信じることが難しい多く
の潜在的な困難があります。
もし何かが議会を通過するとなれば、それは、おそらく来年に
なると思われます。しかしながら、たとえ予算が合意され、
税制法案が打ち出されたとしても、ダイナミックスコアリングに
依存するであろうことや、議会予算局の算出を経ないで投票をする
ことは、かなり問題であるように見えます。
現状、税制法案は2018年にずれ込み、合法的に相殺できる法案よりも
大規模な減税望んでいることを考えると、ブッシュ政権下の減税策の
運命をたどると思われます。
法案が通過しない場合の市場の影響は?
ダイナミックスコアリングという禁じ手を使ってまでも
減税法案を通そうとしている共和党ですが、計算のうえでは
かなり難しい状況のようです。
減税法案も裏切られた場合の市場の反応は、リスクオフの
方向に反応しそうです。
ドル円はすでに調整局面にありますが、市場は明らかにドルも
買い持ちがたまっており、清算しきれていない状況です。
トランプ政策で減税法案も裏切られれば、残るは地政学リスク
しかないような気がします。