
スペイン総選挙でPSOE敗北Vox党が躍進した場合のユーロドルの予想は!
4月28日にスペインでは総選挙が行われます。
これはサンチェス首相が率いる与党の予算案が否決された
ことにより、この4年間の間で3度目の選挙となります。
他の欧州諸国で起きているように、この選挙もエスタブリッシュメント
と極右勢力やポピュリズム勢力との間での分断となる
選挙になりそうです。そのなかで極右勢力のひとつである
Vox党が今回のスペイン総選挙で注目されています。
Vox党が勢力を拡大している背景は
極右勢力であるVox党が勢力を拡大していることは
スペインの歴史のなかで独裁体制であったフランコ政権が
1970年に崩壊して以来の極右政党が政権を取るのでは
ないかと懸念されています。
今回の選挙で国民の関心事は経済問題よりもむしろ
こういった社会イデオロギーや社会問題のほうに焦点
が集まっています。カタルーニャ地方での独立運動が
失敗に終わって以降、政治的背景はガラッと変わり
ました。Vox党は地方の独立を支持する政党と意見
が異なり、むしろこれらの動きをスペイン国家とスペイン
共同体を脅かす勢力として批判しています。
そのVox党は以前の支持率がわずか0.1%だったのが
今回の選挙では10%台にまで跳ね上がっているのです。
またVox党は他の欧州諸国の極右的思想とも意見が
異なっており、彼らは、EUを支持してますが
目先の緊急課題として高い失業率と移民の問題を
あげています。一方で保守的な思想はやはり強く
反イスラム、また女性の権利についても軽視している
傾向にあります。またサンチェス首相が率いる
PSOEが議会で350議席中84議席しか獲得していない
脆弱さからVox党が勢いをましている背景にも
なっています。
スペイン総選挙の見通しは
世論調査によれば、政権を担うのうは、サンチェス首相
の社会労働党(PSOE)かあるいは国民党(PP)の間の戦いと
なると予想されていますが、金融危機以来、あるいは緊縮財政
を敷いているサンチェス政権に対する不満は大きく
極左勢力であるポデモスやシウダダノス政党に流れる
可能性も小さくないのが実情です。結果世論が分断され
政権が不安定化することが予想されます。
いまだ40%の選挙民が意思を示していないようです。
4月23日に行われたテレビ討論会では、PSOE、PP、シウダダノス
そしてポデモスの政党が参加しましたが、Vox党はこの討論会
に参加できませんでした。
まとめ〜選挙結果をうけてのユーロドルの予想は
選挙結果が判明した後、スペインの世論が分断
された状態は深刻になることが予想されます。
そして新政権樹立も遅くなり、スペイン政治の脆弱さ
露呈することになることが予想されます。
PSOEが予想どおり、政権与党を担い、連立政権を組めた
場合のユーロドルの予想はここからあまり反応はない
と思われます。一方でVox党が予想よりも躍進した場合
には、さらにスペインの財政政策に対する疑念が
高くなり、ユーロドルは売られる展開になるのでは
ないかと予想します。