
ストレステストで欧州系大手銀行のtier1レシオ軒並み下落でもユーロは堅調の不思議さ
EBAはストレステストで大半の銀行が健全であるとの
審査をくだしていますが、51行中の最下位はイタリアの
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナですた。新たに多額の
資金の調達が必要であることが確認されました。
審査結果が思わしくなかった、そのほかの大手銀は
伊ウニクレディト、英バークレイズ、ドイツ銀行でした。
明確な基準設定なし
投資家は経済の混乱時にも銀行が5.5%以上の「普通株等ティア1」
資本の比率を維持することを期待しています。普通株等ティア1は
中核的自己資本(ティア1)の中でも質の高い資本とされています。
モンテ・デイ・パスキの資本バッファーは、審査の筋書きでは
完全に吹き飛んでいます。同行が経済的ショックに見舞われたと
想定すると、同行の普通株等ティア1比率はマイナス2.44%。
アイルランドのアライド・アイリッシュ銀行(AIB)も
普通株等ティア1比率が4.31%と、5.5%のラインを割り込んでいます。
懸念されている大手銀行は7%台
欧州の「システム上重要な」金融機関の中では、
普通株等ティア1比率はウニクレディトが7.10%で最低でした。
またバークレイズは7.30%、資本レベルが厳しく詮索されている
ドイツ銀行は7.80%でした。
銀行株売られてもユーロは堅調
それで、ユーロが堅調な理由は、モンテパスキの増資計画について
ECBの合意が取れたとのイタリアの新聞報道にあるようです。
モンテ・パスキの増資計画の額もすでに公表されており、
市場に楽観的なムードがあるようです。
一方でそれぞれの銀行の株価は下落しており、tier1レシオ
の7%台というもは、じわりと重石となりそうです。