ジムオニール氏(元ゴールドマンサックス)が予想するポストコロナのS&P500予想は!?
元ゴールドマンサックスアセットマネージメント会長である
ジム・オニール氏が、ポストコロナの株価の行方について
解説しています。
コロナのパンデミックが深刻化するなか、世界の株価は暴落しました
が、その後4月から5月にかけては急回復しています。
このような強気・弱気が交錯する市場の心理について
ジムオニール氏は解説しています。
現状の米株式市場の動向について
ジムオニール氏は現状米国株市場の心理についてこう解説しています。
しばしばそうであるように、今日の市場参加者の集団は金融コメンテーター
より賢明なのか?
ジムオニール氏がProject Syndicateで、3月下旬からの株式市場の目覚ましい
回復について疑問を投げかけています。
オニール氏は寄稿の中で、コロナ前後で起こりうる社会の変化について
も論じていましたが、ロジャース氏は、社会システムが劇的に変わる
ことを以前警戒していました。しかし、市場はそれに反して急反発している
ことに、市場心理について分析しています。
彼が分析する心理は、驚くことではないが、最新の予想はすべて
割れているということです。
多くの人はほとんどの市場アナリストの暗い見通しに賛成し、
S&P 500が1,600程度まで下げると予想しています。
これは、コロナの影響が経済に及ぼしている現状を反映してもの
だと思います。
しかし、一方で来年初めまでに4,000を超えるかもしれないと
信じる人もいます。この見通しはS&P500が4000ドルを
超えていくという、物凄い強気な見方ですが、現在の市場は
両極端に割れているというのが、ジムロジャースの見方です。
ちなみに現状5月8日のS&P 500終値は2,900を超えてきています。
(チャート:楽天証券)
ポストコロナのS&P500の予想は
S&P500の下げ予想はテクニカル分析を根拠にしたものです。
一方、急騰予想は、ポストコロナに照らし合わせるとワクチンの普及を
前提にしたものと示唆されています。
確かに市場予想は割れていますが、完全に相反するともいえないようです。
弱気予想と強気予想はいくらかホライズンが異なるかもしれないから
です。ジムオニール氏はS&P 500が1,600になるシナリオの要因として
米国や世界の他の国々は、ロックダウンを終える移行を試みていますが
それが失敗し、政治的混乱・社会的悲惨の時期を引き延ばしてしまうかも
しれないというシナリオです。その場合の悲観論が株価の弱気な見方の
要因の一つになっているという見方です。
まとめ
昨年12月にも、米国の現状マーケットについての危うさを警告していた
ジムオニール氏ですが、このコロナパンデミックに直面した米国経済に
ついては悲観的です。しかし市場心理はまた別の側面をもっていて
4月以降の株式市場の急回復を見ている現状においては、市場参加者
のスタンスが両極端に分かれている結果であると解説しています。
ポストコロナの株式市場を語るにおいて、経済ファンダメンタルズに
プラスして国の財政政策とまたこの危機については、システムを変えるくらい
の大規模な、クレジットの緩和政策がとられようとしています。これは
一種のヘリコプターマネーに近い政策で、これだけ酷いことが起きている
ことは間違いないですが、このことがもたらす株価への影響は一筋縄では
いかないような気がします。