ジェフリー・ガンドラック氏(ダブルライン)の過去実績と2024年の市場見通しは!
ジェフリー・ガンドラック氏といえば、別名「債券王」とも
呼ばれ、この世界では有名な投資家のひとりです。
昨年末には、ガンドラック氏は、米国金利は3%台になるとの
見通しを出して話題となっていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8c387b48c3cc6322b02877d82c401e5beeeec665
そこで今回はジェフリーガンドラック氏の過去の投資実績と
2024年の見通しについて調べてみました。
目次
ジェフリーガンドラック氏の過去実績
ガンドラックが有名となったのは、22億ドル(約3200億円)の純資産をもたらした
金融マーケットに対する鋭い洞察力があると評判となったことです。
たとえば、住宅バブルが崩壊して金融危機が起きる前年の2007年に、
サブプライムローンは「最悪以外の何ものでもない」と警告していたことで
有名です。また、自らの資産運用会社ダブルライン・キャピタルを、
運用資産額1400億ドル(約20兆円)規模へと成長させています。
ガンドラック氏の2024年市場見通しは
2023年の初めは、いつものとおり企業利益は11%上昇すると
予想されてましたが、ふたを開けてみると、結果は1%だった
にも拘わらず、株価は大きな上昇の年となりました。
すべてバリュエーションによるもので、利益のファンダメンタルズ
によるものではありませんでした。
現在のPERはとても高く、かなり嫌な結果となった2年前とよく似ている
と、ガンドラック氏は指摘しています。
「もし11%の利益成長がなければ、概して、どうやって儲かるんだろう。」
とガンドラック氏が自社主催の座談会で、米国株市場に対する見方を
述べています。
ガンドラック氏は2024年の株式投資戦略についてクォリティの高い銘柄に
とどまるようアドバイスしています。
ガンドラック氏は長短サイクルに分けてシナリオを組んでいるようです。
超長期サイクル
超長期サイクルにおいては、金利が底値圏にあるとの見方をもっていて
これに短期サイクルが重なってきます。
近々景気後退が鮮明となり、その間、金利もインフレもさらに低下するという
見方のようです。
米国債券
「現在は循環的なトレンド反転で金利が低下しつつあるので、
よい投資先になっている。
しかし、その後景気後退になると、リスクテイクを考え始めるようになる。」
米クレジット
「景気後退では低格付けのクレジットに投資する機会があるだろうが、
今はまだ時期尚早との見方です。
「だから私たちの投資は米国債、保証付きMBS、資本構成の中間(AA~BBの一部)
のミックスにしている。」と述べています。
物価連動債
「TIPSは今は投資すべき先ではない。
短期的にインフレは2%台になるとかなり信じている。」
との見方です。
ハイイールド債券
過去40年どれだけのハイイールド債が実際に償還されたか?
をみてみるとそう多くない。
その要因は、デフォルトしたか、リファイナンスしたためです。
金利が上がってリファイナンスできなくなったら、何が起こるだろう?
と懸念をもっていて、
「危険を承知で言うと、過去の経験よりデフォルトが増えるだろう。」
と消極的なスタンスのようです。
MBS
「直観に反するが、金利が低下して住宅ローン金利が低下したら、
奇妙なことに住宅価格が下がるかもしれない。供給の一部が再開するからだ。」
ガンドラック氏は、現状の高金利が住宅ローンの借り換えを不利にし、
結果として住宅の供給(つまり売却)を減らし、住宅価格の下落を防いでいるとの
見解をもっているようです。
ドル相場
「景気後退への反応は、ドル安だと考えている。
過去40年間をみて、ドルにはネガティブなようです。
「もしも、景気後退への反応が貨幣増発だったらどうなるだろう?」
と述べています。
新興国市場
「ついにドル以外へのシフトが望まれる瞬間を迎え、
その時点での最良のシナリオは新興国市場だろう。」
「長期なら、孫の大学の学費なら、インド株ETFを買って放っておけ。
30-35年前の中国と同様、テンバガーになるから。」
というふうに座談会では、新興国、とくにインドに対して
長期的にポジティブなスタンスを維持しているようです。
まとめ
以上、ジェフリーガンドラック氏(ダブルラインキャピタル)の
2024年市場見通しの座談会の内容について調べてみました。
ガンドラック氏は昨年後半から、米国金利の低下を予想していますが
背景には景気後退と、また株式市場については、一部を除いて
企業利益が追随していない行き過ぎ相場を予想しているようです。
中長期的投資として、新興国、インドを推しているスタンスを
もっているようです。