ショートガンマとは?2020年9月にドル指数とNDX先物アンワインドが起きる可能性は?
現在の市場は “ショートガンマ “が、蓄積されているようです。
これは、単に〜4%動きで消えることは考えにくく
市場は依然として危険なところにいます。
その現象とは、市場の上昇と下落の両方で
ショートガンマによるオペレーション、すなわち
上がれば買い、下がれば売らざるをえない
状況がでてきます。
ショートガンマとは?
ヘッジをしていないオプションの売りの状態を
ショートガンマといいます。簡単に言えば、下がれば下がる
ほど売らないといけない、上がれば上がるほど買わないと
いけない状態です。これは、株式市場だけでなく
トレジャリーマーケットにもあらわれてきます。
先週末のNDXとトレジャリーの動きは
9月にはいってから、とくに週末の市場は、ハイテク株中心
に売りが強まり、一方で、それに伴い一般的には
買われるはずのトレジャリーが逆に売られる展開
(利回りが上昇)する展開になっています。
同時にドル指数も売られる展開に、まさに3月に起きた
コロナによる直撃マーケットの兆候とも思える
展開です。
ショートガンマによる影響は
例えばマクロのヘッジファンドやCTA等で「トレンドフォロー型」
のものはその一つの例です。トレンドを追うので、下がれば
下がるほど売るし、上がれば上がるほど買うオペレーション
になります。またリスクを一定に保つよう、ポートフォリオ
をコントロールしている年金等も、ポートフォリオ全体の
リスクを一定に保つため、リスクが上昇した資産を
自動的に売らなければならなくなります。株式のリスクが
上昇するのは相場が下落する時ですので、こちらも
下がれば下がるほど売り、上がれば上がるほど買い、
という操作になります。9月にはいってこのような
ショートガンマによる相場変動が主因になるかどうか
注目すべきだと思います。
このようなショートガンマは、どうなれば市場で
暴れなくてすむようになるかといえば、それは株式相場の
変動率が低下することです。変動率が低下すると、オプション
が安くなるので、ショートガンマはもう市場で
暴れなくてすむようになります。その理屈としては
オプション購入に費やしたお金を取り戻すために、
今度は相対的に「上がったら売り、下がったら買い」
の操作をやる人が増えるので、相場はますます
安定していくことになります。
9月にはいってのドル指数の動きは
ドル指数は9月に入ってからは、じわじわと上昇して
いましたが、週末に急落しています。
ドル指数の中長期の流れは、ダウンサイジング
なので、やはりリスクとしては、下落リスクが
高いと思われます。
まとめ
ここにきて、ショートガンマによるマーケットの不安定さ
を懸念する声が強まっている背景には、株式市場の
ボラティリティが高まっていることが言えます。
そして、一般的には、株式が下げると債券は
買われるのですが、両方不安定となっているところ
が9月市場としてきになるところです。