
シャープ・レシオとは?計算方法とマイナス時そしてバリューアットリスクとの違いについて!
投資の世界では、リスクというものが付きまとうものですが
よく、そのワードのなかで、シャープ・レシオとか、バリューアットリスク
など専門用語的なワード聞くことがあります。
そこで、今回はそれらのワードについて、初心者でもわかりやすい
ようにそれらの違いについて解説してみたいと思います。
シャープ・レシオとはなに?
よく教科者に出てるくるシャープレシオとは、リスク(標準偏差)1単位当たりの
超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)を測るもの
として解説されています。
こんな難しい説明では、初心者の方はわかり難いと思います。
これをわかりやすく解説すれば、投資にはそれぞれリスクを抱えていますが
そのリスクに対してどれほど上回って収益が得られるかいうことを割合にして
表わしているレシオです。
この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと
を意味し、別の言い方をすれば、効率よく収益が得られたことを意味します。
このシャープ・レシオは、異なる投資対象を比較する際に、同じリスクなら
どちらのリターンが高いかを考えるときに役立ちます。
シャープ・レシオの計算方法は
このシャープ・レシオは、リスク調整後のリターンを測るものとして、
投資信託の運用実績の評価などにも利用されます。
例えば、利回りが12%の投資信託Aと14%のBがあったときに、ポートフォリオリスクが
それぞれ5%と10%、無リスク資産の利回りが2%だったとすると
その計算方法は、
投資信託Aのシャープ・レシオ=(12-2)÷5=2.0
Bの投資信託のシャープ・レシオ=(14-2)÷10=1.2
となることから、Aの方が効率的な運用ができていると考える
ことができます。要するにこの数値が高ければ高いほうが
この投資に旨味があることを表しています。
シャープレシオ = (投資商品のリターン - 無リスク利子率) ÷ 投資商品の年率リスク
という計算式で表すことができます。
投資の世界では、常に「無リスク資産」の存在があります。その代表例は日本国債です。
「国債はリスクのない資産」と考えられているのです。
ただ一般的には、銀行間で取引している無担保コールレートを無リスク利子率に当てはめる
ケースが多いです。
無担保コールレートとは、銀行同士がお金の貸し借りをする「短期金融市場」
での金利のことです。
「今日借りて、明日期日で返す」といった超短期の代表的な取引のことを
「無担保コールレート(翌日物)」と表現します。
お金を貸す以上は金利が発生しますが信用のある大手銀行に今日貸して、
明日返してもらう短期の取引では、ほぼリスクのない取引として考えられています。
こうした理由から、無担保コールレートが「無リスク利子率」として考えられているのです。
シャープ・レシオがマイナスの時
この考え方からすれば、シャープ・レシオがマイナスという
ことは、リスクに見合った投資ができていないことを
意味します。見合ったどころか、リスクに対して、成績は
マイナスの成果であることを意味するので、これは効率的
な投資であるとは言えません。
一般的に、投資信託などの収益性を測る場合、トータルリターンや利回り(金利)を
用いることが多いです。
しかし、利回り(金利)には「リスク」が考慮されていません。
わかりやすく言うと、
年率1%のリターンを生む投資信託
年率1%のリターンを生む定期預金
ではどちらがより優れた商品か?ということです。
利回り(金利)だけを見た場合、上記の投資商品はどちらも同じです。
しかし、元本保証ではない投資信託と、元本が保証されている定期預金では
リスク(リターンの安定性)が異なります。
つまり、上記2つの商品を比較した場合、リターンが同じならより
安全な定期預金を選択するのが合理的な判断ということになります。
そして、それが利回りが例えば10%あるとあっても、リスクが12%があれば
そのシャープ・レシオをマイナスとなり、リスクに見合った投資ではない
ということがマイナスの時には判断されます。
このように、リターンだけでなく、リスクも考慮した上での収益性が高いかどうかを
判断できるのが「シャープレシオ」です。
バリューアットリスクとの違いは
よく投資の世界でこのバリューアットリスクの言葉を
目にします。これはVaRとよく表示されていますが
これはなにを意味をするのでしょうか?
VaRとは一定の期間において、一定の信頼区間のもと、
市場が平常の状況にある場合に想定される最大損失額を想定したもの
であり、金額で表示されます。
わかりすい言葉で説明すれば、”VaR”は「ある一定の確率で起こりうる損失額の最大値」
ですが、例えば、「精度99%の1日VaRが1,000円」 ということは、
「1日後のポートフォリオの変化額が、-1,000円を下回る確率は1%である」
ということを意味します。
例えば、あるポートフォリオの保有期間1日のVaRが、99%の信頼区間で4500万円である、
という言い方をします。
これは、市場が平常の状態であれば、4500万円以上の損失を被る可能性は、
100分の1ということになります。
VaRは金額で表されますから、不利益を被る可能性に加えて、その絶対額を把握することで、
投資をしているなかでわかりやすくリスク量を把握することができます。
VaRの計算方法は
“VaR”の算出は『デルタ法』とよばれる方法で計算しているのが一般的です。
各銘柄の過去データを利用し、統計的性質を明らかに
して”VaR”を計算しています。具体的には、各銘柄の変動の程度と相関の程度が計算の
入力になり、「確率」を何%にするのか、そして保有期間を何日にするのかを特定し
算出しています。
まとめ
以上、投資する際において、とくに最近はやりの投資信託の投資を
考えるなかで、このシャープ・レシオの考え方や、VaRの考え方
は重要になってきますが、この二つは明らかに見る視点がちがった
指標です。シャープレシオは、投資のリターンを考える際に
使うもので、VaRは、この投資の最大損失はいくらなのかを数値化
した指標です。
ただどちらの数値においても欠点は、過去のデータからはじき出された
もので、今後なにが起きるかは誰もわかりません。
その点を考慮して投資に向き合うことも重要であると思います。