サウジのムハンマド・ビン・サルマーンという人物とは?今後この人がもたらすリスクとは
ムハンマドビンサルマンはなぜのし上がったのか
サウジアラビアの皇太子ムハンマドビンサルマーンは、
あまり知られていなかった若い王子の時代から
彼の父であるサルマンが2015年に王になって以来、
ほとんどすべての政府に対して
最も大きな権力もった王子となりました。もしサルマン国王の
退位の憶測が正しいのであれば
かれは、間もなく父親の地位を引き継ぎます。
独裁的な政治
しかしながら、ムハマンドビンサルマーン王子のこの驚くべき昇格は、
サウジアラビアの安定を脅かす短期的なリスクの原因と
なっています。脇に追いやられた王族やより自由を
願っている一般のサウジアラビアの国民からの不満が鬱積
しているようです。
6月突然にムハンマドビンナーイフが皇太子の地位を
失脚して以来、ムハンマドビンサルマーンは、聖職者、
学者、人権活動家そしてビジネスマンを含んだ国内の取り締まり
を監督下においてきました。これは、ロイヤルファミリー、
とくにムハンマドビンナーイフの時代からすれば、
異常な支配となっています。一方でこれらの逮捕の表向きの
理由は、政府に対して陰謀を企てたことと言われていますが、
おそらくムハンマドビンサルマンの経済や社会改革政策
実行の不安定さや経験のなさから起因していると思われます。
さらに、ムハンマドビンサルマーンの外交や安定保証問題に
たいするリーダーシップは国内からの批判を高めていると
同時にヨーロッパやアメリカ(トランプ大統領を除く)
からの印象を悪くさせています。カタールは今のところ、
サウジアラビア主導の封鎖の圧力に対して、方針を変えよう
としていなせん。そして、イエメンでの膠着状態は、
サウジアラビアの軍事力を分散化し、地域の不安定さを
もたらしています。
計画通り改革が進んでいないサウジアラビア
サウジアラビアの経済と社会の革新的変革を目標とした、
2030年実行計画は、停滞したままです。政府関係雇用者
たいする利点を減額する大幅な改革は、彼らの不満を抑える
ため6ヶ月しか続きませんでした。経済成長はほとんどなく、
公的セクターから民間企業で若い雇用者創出ための職業移行
もほとんど進んでいません。
一方で女性への抑制を緩和することや新たな娯楽創出といった
社会変化は進行しているが、ソーシャルメディアでの表現や
討論の自由は、より厳しく管理されているようです。
ムハマンドビルサルマーン体制のリスクとは
ムハンマドビンサルマンを脅かす兆候はなにになるのか?
それは、シニア王族メンバーのムハンマドビンサルマーンの
リーダーシップについて公共での発言に注意を払う必要
があります。経済や社会期待に対して満たされない状況に
で民衆の不満は、ムハンマドビンサルマーンの政治機動性や
信用の綻びのサインとなる可能性があります。
まとめ
強引に権力を握ったよう見える皇太子の行く末は、えてして
独裁的な国家になり、不満分子が募れば、対外的なところに
責任を追及するという、傾向になります。
ムハマンドビルサルマーンのリスクは、やはり、中東の緊張が
高まること、とくにカタールとイランとの関係で暴発する
リスクがこの皇太子にはありそうです。