
コリアウォン円レートは韓国半導体業界の不振でどこまで下がり今後の見通しは?
韓国ウォンの下落が止まりません。
日本政府は現在、半導体材料の「フッ化水素」「フッ化ポリイミド」
「フォトレジスト」という3品目について、韓国向けに輸出する
場合は個別の取引ごとに許可するかどうか判断していますが
業界関係者によると、この措置が実施された7月上旬以降、
1件も許可されていないようです。
そこで為替になにが起こるかといえば、KRW(韓国ウォン)の下落
が止まらなくなるのです。
現状のKRWJPYの動向は
(チャート:楽天証券より)
↑のチャートはここ5年間の長期チャートですが、現在韓国ウォンは
2016年につけた安値をトライしようとしています。
このポイントが支えられれば、ダブルボトムの形成も考えられます
が、現状円はすべての通貨に対しても高くなっています。
(チャート:楽天証券より)
↑はドル円の6か月のチャートですが、円高トレンドが着実にできあがって
きています。
そして、ファンダメンタルズ的にもある韓国の大手半導体メーカー幹部は
日本以外から半導体材料の調達が難しいとの本音を漏らしています。
韓国半導体産業が与える影響は
韓国のメーカー側は日本のサプライヤーが中国もしくは台湾に
保有する工場から、直接に仕入れるなどの対応策を検討していますが、
今週初めに韓国の半導体業界団体がサムスン電子やSKハイニックス
といった加盟社に渡した政府の手引書には、そうした仕入れが
難しいと警告する内容が記されています。いわゆる第3国を通じて
の日本のメーカーからの調達も困難になっているのです。
確認した指針によると、日本企業には対象品目を第三国から出荷するのを
拒否する権利があり、日本の規制をすり抜ける行為をすれば
半導体メーカーとサプライヤーの双方がより広範な国際的な
通商制裁を科される恐れがあるのです。
要するに、日本のメーカーからの半導体材料の輸入は完全にふさがれた
状態になっているようです。
日本メーカー以外の代替調達の状況は
韓国は日本以外のサプライヤーを見つけようと躍起に
なっていますが、その取り組みも難航しているようです。
要するに、日本ほどの高純度の半導体材料を見つけ出すの
が困難なのです。
ロシアと中国のサプライヤーからは出荷の申し出がありますが
半導体メーカーの話では、ほとんどの用途では日本の純度の
高いフッ化水素が必要となります。そして、ここに矛盾があるのですが
高純度だからこそサムスン電子やSKハイニックスが世界市場の
半分を超えるシェアを持つメモリーチップが可能なのであって
それが収益のもとだったのです。
また仮に日本の代わりに他国からの材料を使いたいとしても、
韓国の現在の製造システムとパフォーマンスにとってふさわしいと
証明するまでに数カ月かかるようです。
日本の輸出規制がさらに続けば、サムスン電子はEUV事業にも悪影響を及ぼす
可能性が高いと言われています。
フォトレジストの輸出管理厳格化が適用されるのは、EUVリソグラフィと
呼ばれる最先端技術に基づく半導体生産を行う企業に限られているようです。
まとめ~KRWJPYの回復の余地は
結局韓国ウォンの動向は、日本との貿易交渉に
かかっていると言えます。
韓国は現在、反日によって政治求心力を高めようとしています。
日本の輸出規制に対抗するため、韓国政府は国内のサプライヤーを
育成する方針を打ち出していますが、これはあくまで長期的な話で
サムスン電子とSKハイニックスと取引しているあるサプライヤーの幹部は
全ての材料を自前で代替するのは不可能だと述べています。
結局何年単位でかかる話と、ここ数か月の話のミスマッチが今後
韓国ウォンに迫る可能性が高いと思われます。