ギリシャ国債が暴落、トランプ政権がギリシャにも波及する?
ここにきて、ギリシャの国債が再び投げ売り
されています。今夏に満期を迎える国債を償還
できないのではとの懸念が高まっているからです。
背景には、ギリシャ政府と、ユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)
から成る債権団との交渉が再び暗礁に乗り上げようと
していることです。ギリシャは、7月に約60億ユーロ
(約7300億円)の国債の償還期限が来る前に、
こうした状況を打開し、追加支援を確保する必要に
迫られているのが背景です。
IMFは米国政府の影響が強い
問題を複雑にしているのは、来週、IMFの理事会が
予定されていることと、IMFでの議決権比率が最も高い
米国がトランプ政権下でどのような態度をとるか
目に見えて明らかなことです。
アメリカの実益に反する他国の支援なんどは論外
という、トランプの影響がここにも及ぼしそうです。
ユーロ圏の債務免減が不可欠となる?
交渉が行き詰まるのはこれが初めてではありません。
IMFは、ギリシャが融資の形で追加支援を受けるには
債務が多すぎると指摘しています。ドイツをはじめと
するユーロ圏の債権国は大規模な債務免除を約束しよう
とはしなく、ギリシャにはまだ予算削減の余地がある
と主張しています。ドイツは、IMFと一緒でなければ、
ギリシャへの支援を続けない意向を示していますが、
IMFはこれまでのところ、直近のギリシャ救済措置に
加わっていません。
ギリシャもユーロ離脱になる?
ギリシャの与党・急進左派連合(SYRIZA)の国会議員が
1月31日に、同国のユーロ圏離脱に関する議論をタブー視
すべきではないと述べたことも、地合いをさらに
悪化させています。ギリシャがユーロ圏から離脱したら、
ユーロ建てのギリシャ国債の保有者はほぼ確実に巨額
の損失を被ります。
後日、ギリシャのユーロ圏残留支持を改めて表明しましたが
この問題は、オランダの選挙結果次第で、また再燃しそう
な予兆があります。