ギリシャの離脱リスクは益々高まっている。ユーロの反応はどうなる?
現在のギリシャのユーロ離脱の可能性は、今までのどの時点よりも
高まっていると言えると思われます。
その理由として、ギリシャ新政権が、EU支援プログラムで導入された
構造改革措置を撤回すると発表したからです。
そのなかでも、重要なものと考えられるのが、
– 最低賃金の月額750ユーロへの引き上げ
– 団体労働契約交渉の復活。1万人の公務員の再雇用。
– 港湾、電力会社の民営化中止。
これらの、ギリシャ新政権がぶち建てた構造改革中止内容は、
ドイツだけではなく、他の周辺国、とくにスペイン政府からも
許容し難い中止内容です。
というのは、スペインでも、反緊縮財政を唱える活動、野党ポデモスの
活動が活発化しているからです。
週末にスペインで45000人規模の集会が行われており、今後の地方選挙
そして、11月の総選挙に向けて勢いづいているからです。
もし、ギリシャの要求を呑めば、現政権は持たなくなってしまいます。
こうしたq、ギリシャのユーロ離脱リスクの高まりを察してか、ギリシャの
銀行の預金流出が加速しています。
2月4日にギリシャのギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA),そして
もっとも大事な2月12日にEU首脳会議が開催されます。
ギリシャの銀行からの預金流出額は、すでに200億ユーロを超えているとも
いわれており、流動性供給は緊急を有しています。
現状、ユーロシステムが保有する、ギリシャ国債、EU金融支援融資残高は
2200億ユーロあり、そのうち、ターゲット2の負債は、490億ユーロと
なっており、この一部をデフォルトさせることも、ギリシャの選択肢と
してあります。
ただし、これを行った場合、ギリシャはEUという膨大な貿易相手を
失うどころか、強烈なインフレで混乱を招くおそれがあります。
ギリシャの離脱を織り込もうとする過程で、ユーロの為替の動きは?
これは、意外と最終的には、ユーロのショートカバーの動きとなるかもしれません。