キプロスのベイルイン措置は成功したのか?
今回のキプロスの救済措置を振りかえってみるに、銀行破綻に直面した際に
その銀行の預金者も含めて、投資家に対して責任を問うという”ベイルイン”
の措置がとられました。
これは他の脆弱な銀行にも預金の引き落としが加速するというシステミックリスク
と背中合わせの措置であると懸念されていますが、今のところ銀行の前に行列が
できるなどの混乱は起きていないようです。
今回の措置が、税金逃れの資金やマネロンがらみのいかがわしい資金が集まっていた
キプロスだけは特別措置であるとの受け止め方が多数かもしれません。
ただ結果としてこの措置が金融の危機の陥ることなく片付けば、今後の前例として
意味をなすものになると思われます。
今まではは銀行破綻の際には、預金者は保護され結果的に納税者が編まなく負担
させられてきましたが、今回は銀行のクレジット・リスクを考えていなかった
債権者にその負担を強いる措置がとられという前例ができたといえます。
今回の問題が”キプロスは特別”で終わるのか、それとも投資家が銀行の選別により
ナーバスになりそれでなくても悪化している周辺諸国そしてイタリア、スペインの
金融機関の財務にダメージを加えてくるのか、少し時間をかけて見極める必要が
あると思われます。