カーニー総裁(イングランド銀行)がブレグジット利上げ示唆発言でポンド相場の予想は!?
イングランド銀行は5月2日に金政策決定会合で
政策金利の据え置きを決定しましたが、カーニー総裁は、
EUからの円滑な離脱(ブレグジット)を英国が無事達成できたら、
市場が織り込む以上のペースで政策金利を引き上げることを
示唆しました。
カーニー総裁発言を受けてのポンド相場は
↑はこの発言を受けてのポンドドルの動きですが
ポンドはこの発言を好意的に受けてとめています。
英中銀は2日、全会一致で政策金利の据え置きを決定
しましたが、金融政策会合後の記者会見でカーニー総裁は、
「EU離脱を巡り、何らかの決着に向けた不透明な期間に
入っている」と指摘しています。
しかしその後のこの発言「その決着が何らかの取り決めに基づき、
比較的円滑な移行の形式を伴うのであれば、その間の金利上昇が必要となり、
市場が現在想定する以上に頻度の高い利上げが求められるだろう」と
発言しました。
この発言の後にポンドは1.2950から1.3100近辺にまで
一気に上昇しました。
ポンド相場の上昇トレンドは続く?
↑は2017年からのポンドドル相場の中長期チャート
ですが、見てわかるとおり、昨年の夏場くらいから
ずっとレンジ相場が続いています。
ただ気になるのが、ポンド相場は下降トレンド
を築いた後に長きにわたり下値近辺でレンジ相場
築いているのです。
これがなにを意味しているのかと言えば、かなり
エネルギーが貯まっているということです。
これはどちらに動くにしても大きく動く前に形成される
前兆のようなフォーメーションです。
カーニー総裁の発言によるポンド相場予想は
カーニー総裁が意図していることは、イギリスが
合意なきブレグジットを避け、EUとの合意のもとでの
ブレグジットが達成できれば、利上げとともにポンドは
上昇していくのではないか、という示唆です。
そこには、ブレグジットの再考察も含まれると思われます。
現状、EU離脱期限を6月に延長しましたが、現状議会は
メイ首相が辞任を引き換えにしても、現状のブレグジット合意案
には否定的な立場をとっています。
EU離脱の再考察も含めて、ハードブレグジットのシナリオが
避けられるのであれば、ポンド相場はこの長きにわたるレンジ相場
が上昇に転じる形で終了するのではないかと思っています。
逆に、合意なきブレグジットのシナリオになれば、現在のレンジは
下値にブレイクするかたちで、中長期の下降トレンドが再び
はじまる可能性が高いと思います。
チャートからみるポンド予想
中長期のチャートから分析すると、ポンドドル相場
下値を付けた後の上昇(赤のライン)トレンドから
息切れ状態になりつつあるようなフォーメーションを
しています。
すなわち赤のラインが示しているように、ここ最近
のチャートでは下値ラインが下にブレイクしつつ
あるのです。しかもポンド相場は昨年の夏に下値を
付けたあた2度上値を試す、ダブルトップのフォーメーション
も形成しました。
そう考えると、チャート分析上では中長期のポンド相場予想
は下値に再び走り始める可能性が高いと言えます。
まとめ
上記で述べたようにポンド相場は今レンジ相場状態でエネルギー
をため込んでいる状態とも言えます。
今回のカーニー総裁の発言は、希望もこめたブレグジットが
順調にいってほしいという願いもあったと思われますが、
個人的に思うには、ブレグジットの再考といったことがないかぎり
においては、中長期のポンド相場はダウンサイドリスクのほうが高いと
というのが個人的な見方です。