
オフショア人民元(CNH)対ドル相場は人民銀行が動いたことで今後の見通しは?
ここ最近人民元安が止まらない展開が続いていましたが
中国人民銀行は、元の空売りコストを高める措置を復活させ
ています。
人民銀行の元安政策の影響は
人民銀行の元安阻止政策とは、市中銀行に
準備金として20%人民元を人民銀行にリザーブ
することを強制することです。
これによって元安ペースは緩やかになるかもしれませんが
当局が元はどちらの方向に向かうと考えているかも分かるので、
資金流出を加速させ、経済成長を支える取り組みに水を差して
しまう可能性があります。
人民銀行が発表したのは、為替フォワード取引について
銀行に20%の準備金保有を義務付けるルールで、昨年7月に
導入した後、いったん撤廃していました。
人民元を売ろうとしても、ポジション構築のコストが
かさんでしまうので、ある程度は空売りを阻止できると
されています。それでも人民元は昨年8月から
12月までに約5%値下がりしました。
中国当局は、自国に関する悪いニュースで人々がもうける光景を
目にするのを嫌っています。共産党の経済運営能力が間接的に
非難されているとみなしているからです。
以前に人民元は30%下がると予想された際には、
中国政府は国内の銀行を総動員して、資本規制と市場介入を
併用して空売り筋を紛糾しようとしてきました。
今回も政府当局は、人民元安を放置しないというメッセージを
市場に与えようとしているようです。
オフショア人民元(CNH)の今後の予想は
人民元にはオンショアとオフショア取引に分かれます。
オフショア人民元は、海外の取引が可能な国外での
人民元の取引といっていいと思います。
ですから、日本でFXでの人民元取引をする際は、オフショア人民元
(CNH)となります。
オフショア人民元相場への影響は?
人民銀行の介入はもろ刃の剣です。国有銀行が政府の意をくんで市場と
対決している局面では、彼らの資金力に正面から抵抗するのは難しい
からです。
とはいえそうした動きがあるという事実こそ、何もしなければ人民元は一段と
下がると政府が考えている証拠を与えることになります。
確かに元安のスピードを落とせば時間は稼げるが、介入行為が
元安に拍車をかける事態になる可能性があるというのも、歴史を
ひもとけばわかります。
結論を言えば、いくら中国政府といえども、市場に逆らうことは
限界があると言えるのです。
そして実際に人民銀は恣意的に元の防衛ラインを設定して防衛するものの、
その後は徐々に撤退する手法を好んでいます。
直近で元安が続いた場面では、資金流出に対処する
ために外貨準備が1兆ドルも目減りしていました。
そんな環境で前向きの投資を促すのは難しく、また
貿易摩擦が国内投資家の動揺を誘っているため、人民元
を阻止することが難しいのです。
ドルは他の通貨では上昇していないのに、人民元は、対ドル
下落基調が止まっていません。
この発表があってからは、人民元は多少戻していますが
チャートをみてのとおし、オフショア人民元の下落基調
は大きなトレンドとなっています。
USDCNHは中期的には6.7近辺がサポートとなり
もう一度高値をトライする展開を予想しています。