エンティティリストとは?ハイクビジョン、ファーウェイが中国軍の管理下と指定された影響は?
トランプ米政権は、通信機器大手のファーウェイやハイクビジョン
などの中国大手企業について、中国軍に所有または管理されていると判断し
たと伝えられています。
いわゆる「エンティティリスト」にこれらの中国企業はすでに
含まれていたわけですが、今回ある米国防当局者は匿名を条件に、
文書の内容を認め、議会に送付されたと明かしています。。
米政府が中国人民解放軍の支援を受けたと判断した中国企業は20社に上り、
チャイナモバイルやチャイナテレコム、航空機メーカーのAVIC
なども含まれています。
そこで、まずは、エンティティリストについて調べてみました。
エンティティリストとは?
エンティティリストとは、米国にとって貿易を行うには好ましくない
相手と判断された、米国外の個人・団体などが登録されたリストです。
大量破壊兵器の拡散懸念がある、米国の国家安全保障・外交政策上の
利益に反するなどの理由から、1997年2月に最初のエンティティリストが
公開されて以来、登録の対象は、国務省により制裁規定を設けられた行為や、
米国の国家安全保障・外交政策上の利益に反する行為と広がっていき、
リストは随時更新されながら運営されています。
2019年5月時点で、中国のファーウエイと、日本支社などを含む関連会社約70社が、
米国商務省の「エンティティリスト(Entity List)」に登録されたことを受けて、
各事業者がこのメーカー製の新製品(スマートフォンなど)の発売を延期したり
予約受付を中止したりするといったことが起きました。
今回の公表によるハイクビジョンの反応は
ハイクビジョンは、米政府の主張には根拠がなく、
「中国軍の企業」ではないと表明しています。軍事転用の研究開発に
参加したことはないと述べています。
ホワイトハウスは、リストに掲載された企業に制裁を加えるかについては
コメントしていませんが、このリストは米連邦政府、企業、投資家、学術機関、
同じ考えを持つパートナーにとって、こうした企業との提携について
調査を進める際に有益なツールとなるとしています。
共和党の上院議員は、国防総省のリスト公表を称えるとともに、
トランプ大統領にリストに載った企業への経済的罰則を要請する
声明を発表ています。
国防省のリスト公表による影響は
国防省の指定は制裁には直結しないが、同法によると、大統領は国家緊急事態を
宣言して、リストに載っている企業が米国内で活動する場合に罰則を
科すことができることになっています。
米国では1999年に制定された法律で、人民解放軍が所有または管理する
商業サービス、製造、生産、輸出を提供する企業のリストを作成することが
義務付けられています。
もちろん今回のリストが米中の対立を激化させる可能性は高く
なっています。
貿易や技術分野、外交政策を巡り米中間の緊張が高まる中、国防総省は
かねてより、民主・共和両党の議員からリストを公表するよう圧力をかけ
られており、今回の国防省の発表は、そうした背景を反映したものだと
思われます。
実際には米企業と中国企業との関係の深さも明るみになっており
リストに掲載された世界最大の鉄道車両メーカーであるCRRCは、
競争入札を経てボストン、フィラデルフィア、シカゴ、ロサンゼルスと
契約を結んでいる事実もあります。すでに米国経済に深く入り込んで
いるこれらリスト中国企業に対して、国防省を監視していくとしていますが
実際に契約を廃止させるのかは、不透明なところがまだ多いようです。
まとめ
米政府は昨年、事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」
にファーウェイとハイクビジョンを追加しています。
ほかに中国鉄建、CASICなどのインフラに関わる企業もこのリストに
肺いていますが、いまのところ米当局の監視下ですが、今後中国企業の
実質的な排除に動くのかどうか、今後が注目されます。
*情報を追加しました。