iシェアーズ新興国債券etfの人気急落でドル円相場への影響はどうなる?
投資家は今年の前半から夏場にかけて新興国ファンドへ大量の
資金を投じていましたが、ここに来て資金の蛇口をいったん
流入額は10月初めに10億ドルを下回り、11月8日までの3週間は
ゼロに落ち込んでいます。iシェアーズ新興国債券ファンドも直近の
週の資金動向が、流出超だった4月半ば以降で最悪となって
います。
iシェアーズ新興国債券etf人気急落の理由は
iシェアーズ新興国債券etfの人気に翳りがある理由は、先進国の金利が
過去最低水準で推移する中、投資家の利回り追求の動きやドル相場の
下落がこれまで新興国市場の追い風となってきましたが、今資金が
逃げている理由のひとつに12月の米利上げ観測です。
そして、新たなエマージングリスクも浮上しています。債務再編を
目指すベネズエラ、首相が辞任を表明したレバノン、閣僚や企業幹部、
王族が相次ぎ汚職容疑で逮捕されたサウジアラビアなどという
新たなエマージングリスクが発生しています。
EPFRの中南米株式ファンドは今年、流入超が2010年以降で
最も長く続いていましたが直近の週には流出額がここ4カ月で
最大に達しています。
ドル円相場への影響は
FRBが緩やかな利上げを進め、しかもECBがFRBに追随したとしても、
それほど大きな金融政策の変更、すなわち急激な利上げはない
とおもわれます。
ここ最近のドル円は、短期的なエマージング市場の下落と株高調整
で減速しています。
ただ気になるのは、新たなエマージング市場の不安定さで
特に中東地域が不安定さを増すリスクがあり、ドル円相場は
しばらく頭の重い展開が続くと思っています。