ウォーレンバフェット氏ポストコロナの名言格言は通貨への警告!今後のドル予想は?
先日、ウォーレン・バフェットが航空関連の株をすべて
投げたということで話題になりました。
投資の世界で絶対的な存在であるウォーレン・バフェット氏ですが
今回の新型コロナの影響は、彼の経験のなかでも、想像を
超えたことが起きていると言っても過言ではないかもしれません。
そのウォーレン・バフェットが、ツイッターで、ポストコロナに
関して、債務と通貨に対する考え方も示しています。
とても興味がある内容なので、ここで紹介してみたいと思います。
ウォーレン・バフェット氏の自国通貨建国債の考え方について
ウォーレン・バフェット氏は、国家が自国通貨建てで債券を発行している限り、
起こりうるのは通貨への疑念であって、その債券自体のデフォルトではない
と主張しています。
とくに米国は賢明であり、自国通貨建て債務を発行してきたので、米政府債務の
デフォルトの可能性について否定しています。
彼が「デフォルト」と呼んだのは、テクニカル・デフォルトでも手続き上返済が
遅延することでもなく、米政府が債務返済不能になることを指しています。
ウォーレン・バフェットの考え方は、自国通貨建ての債務は、なんとなれば
通貨発行を行い返済できるから、デフォルトは起こさないですむという考え方
です。
結果的には通貨への懸念を招く?
ここで、ポイントとなるのは、自国通貨建てであることですが
外貨建て債務でなければ、なんとでもなる、との考え方です。
逆に、外貨建て債務のある多くの国々が今後困難な時を迎えるとも
話しています。
自国通貨建てならデフォルトしないのが事実としても、もしもこれが通るなら、
政府は無制限に借金ができ、極論を言えば、税金さえ不必要ということに
なります。でも結果的にバフェット氏は、結局は購買力が疑わしくなる
ことによって、国債自体の額面の価値の低下が予想されるというロジックを
もっています。
国債は額面通り償還されるが、その額面の価値が低下しうるという考え方
です。
100ドルで買った国債は100ドルで返ってくるかもしれないですが
その100ドルというドルの価値が財政悪化によって大きく低下して
いれば、実質100ドルという額面の価値は減っているという考え
です。自国通貨建て国債のマジックとは、国債の自国通貨建て価値を
守ると見せて、価値下落を通貨に押し付けるようなもので、すなわち
極度のインフレとして現れるというのが、経済学的にも、バフェット氏
の考え方です。
バフェット氏のFRBによるファイナンスの考え方は
そこで気になるのが、バフェット氏はこのFRBによる資金供給を
否定しているのでしょうか?FRBによる財政ファイナンスともいえる
政策についてどう思っているのでしょうか?
バフェット氏が、こうしたマジックを知りながら「政府のデフォルトは心配するな
」と良い面を先に述べるのには理由があります。
それは、政府による安易な緊縮路線への批判的立場をとっていることです。
かつての共和党による頑なな債務上限への姿勢にも批判していました。
バフェット氏は、国家は債務支払い能力を成長させる、との意見をもって
います。そこには、バフェット氏の揺るがない米国への自信があるようです。
バフェット氏は、この困難は他の何にも似ていないが、私たちはもっと厳しい
困難にも直面してきて、必ずや克服できるという、あまり根拠のない
自信をもっているようです。
ポストコロナなドル円相場の予想は
一時ドル相場はドル高に振れていましたが、現状のドル円は
106円台で膠着状態となっているようです。
中央銀行のバランシートのサイズの考え方からいくと、ポストコロナで
FRBの資産は日銀のバランスを一気に超える勢いで金融緩和政策
を打ち出しています。しかしながら、日銀の手詰まり感というのは
すでに10年以上も緩和政策を続けて、これ以上の手がないといった
状況に陥っているのが円ではないかと思います。
テクニカル的にもドル円は重要局面にあって、このレンジをどちら
に抜けていくのかが重要ですが、個人的には、バフェット氏が
主張しているように、世界の基軸通貨でもあるドルに分があるように
思われます。
まとめ
ウォーレン・バフェット氏が主張している、自国通貨建ての債務は
最終的には通貨にしわ寄せとなる、というのは、そのリスクとして
円が直面しているところに近いように思われます。日銀は先日の
金融政策決定会合で無制限の国債購入を決定しましたが、これは
最終的には通貨に波及していくというのが、バフェット氏の考え方
なのかもしれません。