ウォーターゲート事件時とトランプ氏のFBI長官解任との類似性は
今回のFBI長官の解任劇に対する批判は、止む気配
がなさそうです。
トランプ大統領に対して、ウォーターゲート事件で
辞めたニクソン大統領を比較する論調も増えてきました。
ウォーターゲート事件と比較は
トランプ氏にとって重要なのは、実は与党である共和党
です。特にその上院議員たちです。上院共和党は52議席と
過半数ぎりぎりしかないため、今回のような問題が起きる
とウォーターゲート事件との比較が取り上げられるように
なります。ウォーターゲートの捜査が当時のニクソン大統領
にとって管理可能な問題から致命的な危機に変化したのは、
上院共和党がニクソン氏に挑み始めたためでした。
今後の鍵は上院共和党
今後注目すべき上院議員は、トランプ氏に対して
今まで支持をはっきりさせていない共和党の上院議員
となりそうです。その人数が約10名います。
彼らは自分たちだけで独立検察官を指名して、昨年の
トランプ陣営とロシアの癒着疑惑を捜査することは
できないですが、しかし時の勢いに乗じれば、
ロッド・ローゼンスタイン司法副長官に決定的な圧力を
掛けて、そうした措置を講じさせることも可能です。
ローゼンスタイン氏は副長官に就任したばかりだが、
コミー氏解任の決め手となったメモを書きました。独立検察官
を指名するかどうかは今や同氏にかかっているようです。
今後の展開は?
このなかで、来年改選控えている議員が2人
います。今の上院の議席数はあと2名で野党と拮抗してしまうので
この2人の議員、コーカー氏とフレーク両議員の動向が
注目です。ホワイトハウスが、ロシア問題をうやむやに
するかどうかで、市場は再びリスクオフの展開、すなわち
ドル円では、円高の方向にいくことも想定する必要が
ありそうです。