イネーブラー(Enabler)とは!エヌビディアAIブームが波及する3分野:ゴールドマン・サックス
ゴールドマン・サックスによると、エヌビディア主導のAIブームは
株式市場の他の3分野にも広がるだろう。
同銀行は、より多くの企業がAIを導入することで恩恵を受けられる
インフラ株とイネーブラーを強調しています。
2022 年 11 月に ChatGPT が開始されて以来、AI ブームにより株式市場は
大幅に上昇しましたが、今後もさらに上昇する可能性があると予想しています。
ゴールドマン・サックスは木曜日のメモの中で、株式市場の評価額がドットコムバブル時に
見られたようなバブル型の水準にまだ近づいていないだけでなく、AI導入の拡大から
恩恵を受ける準備ができている3つの銘柄グループを特定したと述べています。
その中でもイネーブラーとはなにか?について、そしてこのゴールドマンサックスの
予想について、マーケットインサイダーの記事を紹介してみてみたいと思います。
目次
イネーブラーとはなに
イネーブラーとは、目的を達成するために要素や条件を整えたり
プロセスを促進したりすること、またそれらに必要な要素です。
生産性の向上や業務効率化、イノベーションをするために重要なシステムや
ツールであり、それを提供している企業を、一般的に「イネーブラー」
と呼んでいます。一般的には、ソフトウェア会社がそれを提供している
ケースが多いです。このような業務効率化、イノベーションをするために
重要システムを導入する企業は少なくないのが現状で、
またビジネスを成功させるために支援する企業もイネーブラと呼ばれます。
イネーブラーを導入することで、従来の業務プロセスを効率化し、人的ミスの
削減や時間の節約、リソースの最適化などが実現できます。さらに、データの
可視化や分析によって意思決定の質を高めることも可能です。そのため、
多くのBtoB企業がイネーブラーの導入を検討しており、市場規模も拡大しています。
AIの3つの段階:ゴールドマン・サックス
ゴールドマン・サックスは、「AI取引には大きく分けて3つの段階が
あると予想している」と述べた。
AI取引の第1フェーズは単純にNvidiaであり、ChatGPTやAnthropicのClaude
などのチャットボットを動かすAI対応GPUチップを製造しており、同社の株価は
2023年初頭から500%以上急騰しています。
AI は、第 2 段階から第 4 段階はさらに広範囲に及び、より広範囲の企業に
影響を与えることになるとゴールドマンは予想しています。
AIの波及第2フェーズ: インフラストラクチャ
AI貿易の第2段階は、AIのさらなる進歩に必要なインフラ企業にも波及する
と予想しています。
ゴールドマン・サックスは「われわれの枠組みに基づくと、この段階には
半導体企業、クラウドプロバイダー、データセンターREIT、ハードウェア・設備企業、
セキュリティソフトウェア株、公益事業会社が含まれる」と述べた。
ゴールドマン・サックスは、AIインフラストラクチャー事業としての要件を満たす
93社を特定しています。 これらの名前の中には、チップ設計のARM Holdings、
チップ製造のTaiwan Semiconductor、ネットワーキングサービスのCisco、そして
電力需要の増加が予想されるほぼすべての電力会社が含まれています。
AI波及フェーズ 3: イネーブラー
AI 貿易の第 3 段階は、AI テクノロジーの導入と収益化を通じて収益を
増やすことができる企業にプラスの影響を与えると予想しています。
ゴールドマン・サックスは「ソフトウェアとITサービスはAI導入サイクルの
この段階に最適な位置にあるようで、多くの企業が自社のツールによって
他の企業がどのようにAIを活用できるようになるかを説明している」と説明
しています。
ゴールドマン・サックスは、AI イネーブラーとして要件を満たす 31 社を
特定しています。 これらの名前には、ServiceNow、Intuit、Datadog などの
ソフトウェア会社や、Snowflake、Accenture、MongoDB などの
IT サービス会社が含まれます。
AI波及フェーズ 4: 生産性の向上
AI 貿易の第 4 段階は、AI の導入によって生産性の大幅な向上が
期待できる企業の利益を刺激すると予想しています。
ゴールドマン・サックスは「ソフトウェアとサービス、商業および専門サービスは、
AIの普及により労働生産性を介して収益が最も大きく伸びる可能性がある」と述べた。
「これら 3 つの業界は、賃金請求額に占める AI 自動化の割合が高く、
人件費が比較的高いという組み合わせになっています。」
同社は、AI の導入によって労働生産性の最大の向上が期待できる企業 50 社を
特定しました。 その名前の中には、小売大手のウォルマートやコストコ、テネット ヘルスケアや
イルミナなどのヘルスケア企業も含まれます。
参考:Markets Insider
まとめ
今回は、AIブームが波及するであろう3分野について
ゴールドマンサックスの予想について調べてみました。
現在は、エヌビディアを筆頭とするAI産業のインフラ企業が
主に恩恵をうけているようですが、今後はイネーブラーを中心
として3分野に広がりをみせると、ゴールドマン・サックスは
予想しているようです。