
イタリア新政権発足
選挙後約2か月間空白だった国会にやっと政権が誕生するようです。
民主党のベルサー二代表が辞退し、若いレッタ氏が新たに民主党の
代表として、中道右派ベルスコーニ前首相との連立合意に達した
ようです。
とくに財政政策において隔たりのあった中道左派と中道右派において
代表が変わることによって妥協点をみいだした政権が誕生するようです。
この妥協はベルスコーニ氏の個人的な思惑があるにせよ、イタリアが
緊縮財政路線を放棄したといってもいいかもしれません。
実際レッタ氏は”austerity is no longer sufficient”と公然と
以前の民主党の主張を路線転換しています。
ユーロ全体の景気低迷が一段と深刻化している中、財政緊縮に苦しむ
南欧諸国にとっては湧き上がってくる主張で、スペインの首相も
先2年の財政緊縮のターゲット放棄の示唆をしており、景気低迷が
深刻化するなかドイツもおもてだって対立できない構図になりつつ
あります。
皮肉なのは、この路線転換にもかかわらず、イタリア、スペインの国債
は買われ続け、最低利回りを更新する勢いです。
ECBのOMTがセーフティー・ネットとして利回りの高い国債は流動性供給
を背景に買われ続けています。
為替市場のユーロは対ポンドでは下落、対スイスでは上昇と先週はまちまち
の展開となりました。
今週はユーロの利下げ見通しが強まっていますが、イタリア、スペインの
国債市場が堅調に推移している現状においては、ユーロは堅調に推移しそう
な気がします。