イタリアモンテ・パスキの国有化決定でユーロドルはパリティに向かう?
イタリアは23日未明の閣議で、民間銀行支援のための200億ユーロの
基金設立を了承しました。これを受けて資本増強を迫られている
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテパスキ)は直ちに資本注入を
要請しました。イタリアでは過去最大規模の銀行国有化となります。
結局ベイルアウトによる救済
4万人の小口投資家が保有する劣後債については、購入時にリスクを
認識してなかったとして保全する方針です。
機関投資家などが保有するティア1債は額面の75%で株式に転換し、小口投資家が
大半を保有するティア2債は額面で転換する予定です。
個人の損失回避へ、強制転換された株式を普通社債とスワップし、この株式を
政府に売却する仕組みも導入します。
イタリアのGDPに対する債務比率は133%で、ユーロ圏ではギリシャに
次ぐ規模ですが、このイタリアの救済策には他のEU加盟国とECBの反発も予想
されます。
ユーロドルは来年パリティー(等価)に向かいそう
モンテパスキの資本調達失敗をうけて、次は最大の規模の懸念材料と
なりえるウニクレディットの資本調達にも懸念が生じる可能性が
あります。
イタリアやギリシャをはじめとする債務懸念が来年から台頭し、ユーロに
影を落とす展開が来年から繰り広げられそうな雰囲気です。
来年はユーロドルはパリティに向かう展開を予想したほうがよさそう