イエレンFRB議長は議会証言でハト派に変わったのか?
昨日のイエレンFRB議長の議会証言は、ある意味
サプライズなりました。
イエレンは、今年の前半に “金融緩和からの脱却を
長く待ちすぎることは賢明ではない”
と繰り返しタカ派的なコメントを発していたことから比べると
明らかに今回の議会証言の内容はハト派に変わった印象と
なりました。
イエレンは一転して低インフレを強調
低失業率が続いているにもかかわらず、インフレ率が停滞している
この状況はなにかしらイエレンFRB議長をハト派的立場に変えた
ようです。重要なことは、現状の低失業率や経済成長に対して、
インフレ率が上昇していくのかどうかFEDは確信を持っていない
ということです、昨日の証言の中で” もちろん不確定要因が
経済見通しに加わることは常にある”
“たとえば、インフレ率がどの時期にどの規模で
どう反応していくのかといったような不確定要因である。”
というように、やたらとインフレが懸念材料であると強調
しているようです。
市場もサプライズとなった?
もちろん、市場は不確定要因があることは認識しているが、
イエレンの議会証言で米国債利回りが大きく低下したのは、
ここ数週間でいくつかの中央銀行の引き締め観測があった
にも関わらず、イエレンの証言内容が予想に反してハト派的
であったことを印象付けたし、また意外だったことをあらわして
います。
トランプ政権はよりハト派よりになる?
イエレンFRB議長は、依然としてタカ派的スタンスにあり、
部分的にハト派にシフトしたという見方も正しいと思われ
ますが、認識しておくべきことは、トランプ政権によって
指名される新しい委員会メンバーは、現在政策起源には
関係なく、どんなルールが採用されるかにもよりますが、
より株価を意識したタカ派よりはハト派になる可能性が
高いということです。
この議会証言の内容から、昨日はドルが大きく下落し
米国債の利回りも大きく低下しました。
ドル円では、ドルロングのポジションが集中していた
だけに、今後はドルの上値が重くなるのか注目です。