アメリカ12月の利上げで企業のEPS伸び率次第で株もドル円も上昇する!
9月のFOMC声明で12月の利上げが強く示唆されました。
それにも関わらず、ドル安懸念、とくにドル円の上値が
重いのは、やはり、そのあとリスクオフ的な動きが強まる
のではないかという懸念が強いこともその要因の一つとして
あると思います。
そこで、やはり株価の動向を左右する要因として、利上げが
行われてもEPSの伸び率が上昇それば、それを打ち消すという
関係を示しているようです。
過去のEPS伸び率と債券利回りとの関係は?
S&P500種指数の上昇率は1950年以降、債券利回りが上昇していても、EPSの伸び率が
10年物米国債利回りよりも高ければ年率9.8%に達しています。
一方、利回りが上昇し、EPSの伸び率が10年利回りを下回ると、
S&P500種の上昇率はわずか0.61%です。
株式と債券利回りはこのところ、2007年以来では最もかけ離れています。
10年利回りをEPSを超えるかどうかがカギ
10年物米国債の利回りは足元で1.616%なので、EPSの伸びが超えねばならないハードルは
それほど高くないです。ほんのわずかな増益でも、株価上昇の最適条件になり得る
ということになります。
しかしながら、EPSは5四半期連続で前年を上回っておらず
、6-9月期は2.1%減とさらに落ち込む見通しです。だが、過去4年間の企業利益は
アナリスト予想を平均2.9%上回っており、今後の株高を予兆している可能性があります。
6-9月期の決算が実際に増益となれば、債券券利回りが上昇したとしても、
今年利上げがあったとしても株価の下落は防ぐ可能性が高いと思われます。
米連邦準備制度理事会(FRB)は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を
引き上げると広く予想されており、そうなれば10年物米国債利回りは押し上げられる
可能性があります。
今後の動向は企業業績次第!
EPSの伸び率は債券の表面利率(クーポン)のように投資家が直接把握
できる数字ではないが、伸び率の上昇は、その企業に配当や自社株買いなどの
株主還元を増やす力があることを示しており、株価に上昇余地があるということにも
なります。
以上のことからはっきりするのは、株価の短期的な動きを左右する要因は多々あるが、
長期的な株価動向において企業利益の伸びがいかに重要かということです。
ドル円の動向は
最近のドル円の動きは、日米の金融政策に振り回されるように動いてきました。
9月のFOMCで利上げが見送られたことにより、また日銀が国債買い入れ額を
据え置いたことにより円高に振れました。しかしながら、冷静にみてみると
アメリカの今年中の利上げの確立は高くなっており、別の言い方をすれば
上記のように、企業収益の動向次第のようです。収益が予想よりもよければ
ドル円は年末に向けては105円を目指していくという見方を維持したいと
思います。