アメリカイールドカーブフラット化が及ぼすドル円への影響とは?
アメリカのイールドカーブフラット化がとまりません。
一方で、株式市場では、最高値を再び更新しています。
このイールドカーブのフラット化を見ると、投資家は
株式市場が絶好調であるにも関わらず、心配に事欠かない
状態であることがわかります。
アメリカの2年利回りと10年利回りの差は、2007年以来
最小水準にまで縮小しています。
イールドカーブフラット化が意味することは
一般的に、イールドカーブがフラットするということは、
長期の金利と短期金利の差が縮小していることなので
将来は金利が上がらない、若しくは利下げに転じる
かもしれないと市場が予想していることです。
この株式市場の上昇が正しいのか、それともイールドカーブフラット化
が正しいのか意見が分かれるところですが、過去のデータを
みれば、イールドカーブがフラット化している状況で
株式市場が上昇していると同時にドルのインデックスも
上昇しています。
1992年から現在に至るまで、大きなイールドカーブの
フラット化が5回きましたが、その時の年間パフォーマンスは
以下の通りです。
S&P500. 7.3%. 12.9%. -1.4%. 9.4%. 6.8%.
ドル 3.9% -2.8% 12.7% 17.0% 0.4%
です。
株式市場、ドルともに、大きなイールドカーブのフラット化の
状況で上昇しています。
JGBsと米債のスプレッドが逆転
アメリカのイールドカーブのフラット化が続いているなか
で、奇妙な現象が起きています。
それは、日本国債であるJGBと米国債の2年10年のスプレッド
がJGBのほうが上回っているのです。
ご存知のように、日本は大量の量的緩和とマイナス金利政策
継続中です。
一方ででアメリカは、昨年から定期的に利上げに転じて
いる状況です。
にもかかわらず、イールドカーブは日本のほうが立っている
のが現状です。
これが意味するのが、アメリカの経済が数年後には、後退していく
可能性を示唆し、日本はいずれは量的緩和を解除するであろう
との見通しが強くなっているのです。
言うなれば、現状のアメリカと日本の経済状況とは真逆の
見通しが将来については市場を占有しているということになります。
ドル円への影響はどうなる?
上記で述べたように、イールドカーブのフラット化が意味
していることは、将来景気が後退する見通しが強くなって
いることを意味しますが、実際過去のデータをみてみると
株式市場、ドルのインデックスともに上昇しているケース
が多いです。今回、米国と日本のスプレッドが逆転していますが
絶対的金利水準を考えると、どうしてもドルに魅力があるよう
に思われます。
ドル円相場も過去のドルインデックスの推移と同様に
ドル高円安にすすみやすいのではないかと個人的に
思っております。