アフターコロナのFEDバランシート拡大と今後のS&P500の見通しは!?
3月以降、FEDのバランスシートの拡大が始まると
同時にS&P500の急回復も続いています。
ただここ最近S&P500の上昇にも息切れと
見れるような動きをし始めています。
そこで気になるのは、そろそろS&P500を
ショートする時期にきたのだろうか?という
見方も出始めています。
そこで今回は、FEDのバランスシートとS&P500
の関係について調べてみました。
目次
FEDがさらにバランスシート拡大できる余力は
↑の表が示すように、FEDはこの危機の時に設定
したファシリティーのうち、使用しているのは
まだ半分にも満ちていないことがわかります。
FEDは約4950億ドルのファシリティーを
用意していますが、実際に使用しているのは
1730億ドルしか使っていません。ということは
現状、FEDのアナウンス効果が予想以上に株価
に効果的となっているということです。
各国政府によるアフターコロナ救済は
政府が救済ファシリティーを用意するカテゴリー
として、3つに分かれます。
そのひとつは、信用保証をつけること、
実際にローンと株式購入をすること、そして
支出を増やすことです。
アメリカは明らかに政府支出を増やすことに
重点を置いていますが、一方でヨーロッパでは
債務保証をつけることに重点をおいています。
韓国では、ローンや株式購入により資金の
注入を行っています。
今後のFEDバランスシートとS&P500の関連性は
FEDのスタンスは、今後もバランスシートの拡大を
躊躇なく行っていくことだと思われます。
失業率の高さなど、経済ファンダメンタルズの低迷
からの脱却のために、躊躇なくクレジット市場への
介入をはじめとする資金注入を継続することが
予想されます。その意味では、他の新興国
、たとえば現在中国の市市場でも起きている
ように、株式市場は高値を更新しています。
これは、まちがいなく、中央銀行による
バランシート拡大による救済措置を期待して
いることが継続している結果だと思われます。
今後のリスクファクターは
しかし、構造的なリスクは下向きです。
2020年秋のリスクは、1、二番底のリセッションと
デフォルトリスクへの恐怖、2、米ドルの低迷と
債券市場の混乱、3、そしてなんといっても
この秋に向けての大統領選の不透明さと
それによる2021 EPSを脅かす政治が
行われることです。
まとめ ~ 今後の見通しは
FEDのバランスシート拡大余力を考えると
S&P500はまだ上昇余力があると言える
かもしれません。しかしながら、根底にある
ファンダメンタルズを考えると、やはりここからは
慎重になるべきというのが個人的な考えです。
なんといっても、これからは、大統領選が
市場の焦点になってくると思われます。
いまのところ、バイデン勝利のシナリオが
まだ株式市場で消化できていないような
気がします。バイデン候補が政権をとった場合
の株式市場は、トランプ政権下とは別の世界と
なる可能性があります。
今後も米国株式市場に目が離せない状況が
続くと思われます。